千葉ロッテ・井上、期待に応えられなかった苦悩の日々。 “因縁の地”で始まる4年目の逆襲【2017年ブレイク期待の選手】
ルーキーイヤーの開幕戦、昨季のクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦で4番を任されるも、なかなかチャンスをつかめていない千葉ロッテ・井上。今季は3年前と同じヤフオクドームで開幕戦を行う。
2017/02/09
千葉ロッテマリーンズ
春季キャンプまでケガなく終われたことが大きい
1年目と2年目の秋季キャンプはそのケガもあって共に不参加。そんな自分を変えようと2年目(2015年)のオフから 「怪我をしないための体づくり」に取り組んだ。
全体練習が始まる1時間前には球場に来て、腰回り、胸回りの可動範囲を広げるためのトレーニング。それを1年間、体がどんなにきつくても続けることを決めた。
「そこで体を動かして、間隔を空けずにそのままパッと練習に行けるようにしたんです。動くのを止めてしまうと自分はすぐに体が固くなってしまうので、動かせる状態のまま、練習に入った方が(技術も)身に付きやすいというのもあります」
このトレーニングを継続したことで、2016年はケガで戦線離脱をすることは一度もなく1年間を過ごせた。そして初の秋季キャンプフル参加。
「秋季キャンプまでケガなく終われたことが大きいです。あれだけ動いて、走り回ってもケガなく終わることができた。『ここまで来れたんだ』という自信にもなりました」
昨年まで2軍監督を務めていた山下徳人野手総合兼打撃コーチもこう語る。
「彼は真面目で練習も黙々とやるタイプです。それがなんでこれまで芽が出なかったと言えば、ケガが多くて練習についていけなかったから。それを昨年の1年間で克服できたかなってところですけど、相当辛い3年間を過ごしてきたと思いますよ。新人で開幕4番を任されたり、相当な期待を背負いながら今、伸び悩んでいるところでね。でも彼はそこで負けないでここまで来た。うちにいないタイプの選手だけに頑張ってほしいね」
昨年まで中軸を担ったアルフレド・デスパイネがチームを去り、今年はこれまで以上に井上にかかる期待も大きい。プロ4年目にして最大のチャンスを迎えたといえる。
この記事のテーマ「2017年のブレイク選手」を彼に伝えると井上はこう反応した。
「西武の山川穂高選手の存在もありますし、ウチにも細谷(圭)さんという良いお手本がいます。細谷さんは浦和でもずっと一緒にやってきた方ですし、今年は自分が続きたいです」
今年の開幕戦は3月31日、ヤフオクドーム。井上にとっては因縁の地ともいえる場所だ。
2017年、井上晴哉の逆襲はここから始まる。