侍J、致命的な左腕不在問題。先発タイプは右腕のみ、見えぬ小久保監督の戦い方
WBCに挑む侍ジャパンのメンバーが決まった。投手陣を見ると、大きな不安要素が浮かんでくる。先発タイプに左腕がまったくいないのだ。WBCは球数制限があり、第2先発がカギを握ると言っても過言ではないが、果たして右腕ばかりで厳しい戦いを勝ち抜けるだろうか。小久保監督がどのように戦おうとしているのか、疑問が残る。
2017/02/10
厳しい球数制限。カギを握る第2先発だが…
ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)に挑む侍ジャパンのメンバーが決まった。
全メンバー登録選手が大会本部から発表されたということだから、ケガでもない限りこのメンバーで臨むことになる。
出場可能選手の中での最高のメンバーがそろったといえる。日本の各ポジションの上位プレイヤーを並べたら、トップに来る選手たちであるというのは間違いない。
ただ、不安要素がないわけではない。
今回のメンバー構成でいうと、投手陣の第1先発、第2先発と目されるポジションに左腕がいないのはやや不安だ。
先日発表された大会のレギュレーションは、球数制限は第1次ラウンドが65球、2次ラウンドは80球、準決勝と決勝は95球と決まった(50球以上を投げた場合は、次の登板まで中4日、30球以上もしくは2試合連続で投げた場合は、次の登板まで中1日あけなければならない)。
つまり、大会を上手く戦っていく場合には先発投手も重要だが、2番手に登板する投手陣がカギを握ってくる。
かつての日本代表は、この2番手に「第2先発」を起用してきた。
2番手にリリーバーを置くのではなく、先発投手を起用し、ロングイニングを投げさせる。その上で、リリーバーに繋ぐのだ。
過去の大会では、第1回大会が、清水直行(元ロッテなど)、和田毅(ソフトバンク)と杉内俊哉(現巨人)、第2回大会では内海哲也(巨人)と杉内、小松聖(元オリックス)、第3回大会では能見篤史(阪神)や攝津正(ソフトバンク)、内海(巨人)らが主に務めた。
今大会に迎えるにあたって、小久保裕紀監督はおそらく「第2先発」の人選に頭を悩ませたに違いない。昨年11月の強化試合の際には、第1先発、第2先発で8人を揃えて臨んだものの、最終戦後の記者会見では「先発陣を8人にするか、7人にするかで迷っている」と胸の内を明かしていたほどだ。
その中で、今回は7人で臨むことになったのだが、その中に左腕をメンバー入りさせなかったことはウィークポイントになりかねない。