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裏方として古巣を支える中郷大樹。忘れられない伊東監督との絆「背番号と同様にマリーンズ愛も倍です!」【マリーンズファーム通信#35】

大好きだった千葉ロッテマリーンズに、スタッフとして帰ってきた男がいる。中郷大樹打撃投手兼2軍サブマネージャーだ。現役時代は中継ぎの1人としてチームの勝利に貢献してきたが、昨年から裏方としてチームを支えている。

2017/02/17

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千葉ロッテマリーンズ



愛するチームと突然の別れ

 一生懸命にチームを支える姿がある。中郷大樹打撃投手兼二軍サブマネージャー。15年に埼玉西武ライオンズを退団し、現役を引退すると16年にマリーンズにスタッフとして入団をした。他にも同様のオファーがあった中で古巣への愛を貫いた。
 
「一番お世話になった球団。そこからスタッフとしてオファーを頂けて本当にうれしかったです。裏方としてチームを支えたいと思いました」
 
 06年大学生・社会人ドラフト6巡目でマリーンズに入団。150キロ近い速球とスライダー、フォークを武器に中継ぎとして活躍をした。12年には44試合に登板。そして伊東勤監督が就任した13年もセットアッパーとして37試合に登板し、チームの勝利に貢献をした。しかし、その年のオフ。マリーンズにFA移籍をすることになった涌井秀章投手の人的補償としてライオンズに移籍する。
 
 あれは年が明けたばかりの2014年1月7日16時。自主トレを終え、スーパー銭湯に寄ろうとして停めた駐車場の中で突然、携帯電話が鳴った。そしてライオンズへの移籍を告げられた。大好きなチームとの突然の別れ。スーパー銭湯に寄る意欲は失われ、あてもなく運転をして、さまよった。ドライブをすることで動揺する気持ちを落ち着かせようとした。マリーンズでの思い出が走馬灯のように蘇った。愛するチームとの突然の別れ。胸がしめつけられる思いがした。
 
 数日後、ロッテ浦和球場のグラウンドで視察に訪れていた伊東監督に挨拶をした。
 
「頑張ってこい!」
 握手を求められると、そのまま抱き包まれた。
 
「ありがとうな!本当に頑張れよ!」
 ギュッと抱きしめられた。忘れられない出来事だ。
 
 思えば13年シーズン。腰に違和感を訴え、シーズン途中の夏場にリタイアした際も指揮官の熱い思いに触れた。京セラドームで痛みを感じていたが、気合で投げた。翌日はQVCマリンフィールド(今年からZOZOマリンスタジアム)での移動試合。この試合も連投で途中登板し気持ちで打者を抑えた。
 
 しかし、その代償として腰は限界に達した。トレーナーの判断でこれ以上の登板は厳しいと言われた。マリンの1塁側ベンチ裏。そこでトレーナーと共に伊東監督と面会した。突き放されることも覚悟をした。少なくてもギブアップをした自分は冷たく対応をされると思った。しかし、違った。
 
「ここまで、よく頑張ってくれた!今、チームがいい位置にいるのはお前が頑張って投げてくれたおかげだ。本当にありがとう。今はしっかりと腰を治してくれ。そして、また戻ってきてくれ」
 
 固く握手を交わした。いつまでも手を握り続けてくれた。指揮官の感謝の想いがその手のぬくもりから痛いほど伝わってきた。ここまで頑張って投げて来てよかった。心からそう思った。

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