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成田翔、取り戻した自身の投球スタイル。きっかけは憧れの”小さな大投手”からの金言【マリーンズファーム通信#36】

高3の夏、秋田商をベスト8へ導いた成田翔。マリーンズへ入団し、1年目から一軍のマウンドに上がる青写真を描いていた。しかしプロの厳しさを痛感し、いつの間にか自分自身のスタイルを見失っていた。

2017/02/19

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千葉ロッテマリーンズ



地元・秋田で応援してくれる人のためにも

 年が明け、石垣島キャンプが始まると大先輩の言葉を胸に1年目の反省を踏まえた投球練習を繰り返している。ブルペンでは打者のインコース、ストライクゾーンぎりぎりを意識して、キレのあるストレートを投げ込む。1年目は100球を投げることが精一杯だったが、120球以上を投げる日もある。そして投球練習の後に再度、立ち投げを行ったり、シャドーピッチングを繰り返し、フォームチェックをする。ボールをリリースする瞬間の指の感触を確かめる。
 
「コントロールを安定させるためにはフォームを安定させないといけない。初回から最後まで同じフォームで投げることができるように今は体に染み込ませています」
 
 秋田に帰省をした昨年末、もう一つ忘れられない出来事があった。結果を出すことが出来ずに惨めな想いで戻った地元で、周囲は温かく迎えてくれた。「自分のことなんて忘れられていると思っていた」。街でも歩いていると多くの人に声を掛けられた。「頑張ってね」、「応援しているよ」。故郷の声がプロの世界で挫折を味わった若者の心に響いた。
 
「しっかりと一軍で投げて、自分も石川さんように活躍して地元の人たちを喜ばせたいと思いました。そのためには今年はまずファームで勝利して、しっかりと結果を積み重ねて、チャンスを切り開いて一軍を狙いたい」
 
 キャンプ中、ブルペンでの投げっぷりの変化は首脳陣の目にもしっかりと留まっている。2月3日に19歳になったばかり。若き左腕の未来とその可能性はどこまでも広がっている。1年目の悔しさを糧として、偉大な大先輩が歩んできた道を同じように突っ走りたいと夢見る若者。2年目の飛躍。吉報を待っている地元・秋田に今年は明るい話題を提供する。

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