千葉ロッテ〝ゴールデンイヤー〟のカギは、高卒生え抜き選手のブレイクにある!!
今年も月2回ぐらいのペースで書いていく予定のこのコラム。2015年の本格始動1発目でもある今回は、年末年始に4回にわたってロングインタビューをお届けした〝大天使〟里崎智也氏との未公開コメントを織り交ぜつつ、氏が自らブチ上げたマリーンズの〝ゴールデンイヤー〟を展望してみたい。
2015/01/21
強いチームは、スタメンの高卒生え抜き率が高い!?
計4回、軽く1万字を超えるボリュームでお届けした濃厚インタビューによって、里崎氏自身が16年間で培ってきた野球観は、読者の方々にもダイレクトに伝わったかと思うが、「来季(つまり、今年)のマリーンズはどうか」と訊く僕らに対して、「実は統計が好き」だという彼はこんな話もしてくれた。
「このあいだ、ふと気づいたんですけど、日本一になった2005年のスタメンを学歴で見たら、外国人枠は別として、僕を除いた野手陣は、みんな高卒の生え抜きなんですよ。そう考えると、結局、高卒がうまくいかんとチームは強くならへんのかな、とも思いますよね。高卒組がメインのスタメンを、初芝(清)さんや小坂(誠)さんのような大卒・社会人組や外国人がバックアップするのがいちばん理想的な形なんかな、と。
それに、投手陣にしたって、(小林)宏之や(小野)晋吾さんのような高卒組が、直さん(清水直行)をはじめとした即戦力ピッチャーに混じってローテでしっかり結果を出しつつ、精神的なタフさが要求される中継ぎは、経験豊富な大人が占める、みたいなバランスのよさが05年のチームにはあったと思うんです。実際、YFK(薮田安彦・藤田宗一・小林雅英)の3人は全員、社会人出身でしたしね。そういう学歴の違いと勝率との関係性を統計にしたら、けっこうおもしろいデータが取れるんじゃないかと思ってるんですよ」
確かに、僕らファンの肌感から言っても、シーズンを通しての盛り上がり、熱量という部分においては、同じく日本一に輝いた10年より、05年のほうが圧倒的に上だった気がしなくもない。ライオンズの監督だった東尾修氏をして〝白いオバケ〟とも称された、あの当時の異様なまでの一体感は、里崎氏の指摘する通り、活躍する高卒生え抜き組の多さに比例して高まっていったという見方もできるだろう。
翻って、今季のマリーンズはどうかと言えば……。スタメン入りする可能性がある高卒生え抜きは、すでにベテランの域に達している今江と、田村龍弘や江村直也らの若手キャッチャー陣ぐらい。2年目の吉田裕太やルーキー・寺嶋寛大らが台頭して、今江が故障で離脱でもすれば、高卒生え抜きがスタメンに1人もいないなどという、ある種、危機的状況にもなりかねない。
デスパイネや先頃再契約の発表されたハフマンらが、お立ち台で「デスパいいね!」や「ハフ満足!」を連呼しまくり、石川歩が「絶景かな」を叫びたおせる状況が生まれるのも、それはそれで大歓迎だが、この先、チームが真の強さを手に入れるためにはやはり、高卒生え抜き組のブレイクこそが必須条件。
本当の意味での〝ゴールデンイヤー〟は、先の田村&江村や大嶺翔太らの若手を筆頭とした高卒生え抜き組の台頭があって初めて完遂される、と言っても過言ではないのである。