侍J、4番・筒香なら山田は? 打の中心2人を並べるメリットとデメリット【小宮山悟の眼】
3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの合宿が23日から始まった。侍Jはどう戦うべきなのか。小宮山悟氏が解説する。
2017/02/24
どのような打順で筒香と山田を入れるか
ただし、重要な点を忘れてならない。筒香と山田を打線のなかで並べるのか、例えば4番・5番にするのが本当にベストなのかどうかはしっかり考えなくてはならない。
そこは小久保裕紀監督の采配次第だが、並べて使うのか、むしろ2人を離すことを選択するのかが、非常に難しい。
2人の打順を離して使うと、ムラなく得点の可能性が広がる期待が持てる。反対に、並べて使うと、「打線のココの巡りで絶対に点を取る」という大きな山を作ることになる。しかしそうした場合、3イニングに1回しか流れがこない可能性が出てくる。どちらを採るのか。
チームが少ない得点を守り、ロースコアゲームで勝負していくと考えるなら、筒香と山田は並べた方がいい。
当然それにはリスクがある。筒香・山田以外のバッターが打てなくなると、この2人がホームランを打たなければ点にならないという最悪な状況に陥りかねない。したがって、打撃陣全体がどれだけ頑張るか。そこが肝になってくる。
筒香を中心に引っ張っていく打線をどう組んでいくのか。各国は筒香の力量をすでに把握しているはずで、きつくマークされるだろう。だからこそ、他の選手たちが奮闘しなくてはならない。
少ないチャンスをチーム全体でいかに効率よく得点に結びつけるか。総合力で戦っていかなければ厳しい試合になることは必至だ。
小宮山悟(こみやま・さとる)
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。