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呉念庭が西武・長年の弱点を埋める。狙う正遊撃手の座、コーチ陣も絶賛の“野球センス”【2017年ブレイク期待の選手】

昨季、8月の中旬以降は遊撃手でスタメン出場していた埼玉西武ライオンズの呉念庭内野手。台湾のプロ野球チームで現在、監督を務めている父を持つ呉は、父親譲りの野球センスでチーム内でも絶賛されている。

2017/02/26

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体重は75キロをできるだけキープ

 この成績が評価され、7月10日(対オリックス・バファローズ戦)に7番・遊撃手で1軍初出場、初スタメン。第3打席ではプロ初安打も記録した。4試合出場したところで同28日、一時2軍に降格したが、8月9日に再び1軍昇格を果たすと、「最後までショートの先発で使い続ける」との、田邊徳雄前監督の首脳陣への宣言の下、最終戦までの38試合連続でスタメン出場した。
 
 そこには、7月26日の敗戦をもって、自力CS出場の可能性が消滅したいという巡り合わせもあったのかもしれない。2013年シーズンから続く、遊撃手のレギュラー固定という球団最大のテーマを一刻も早く解決するためにも、最有力候補者の位置まで躍り出てきた新鋭には「試合に出続けて疲れるという大変さ、結果を出し続ける難しさを、少しでも経験をさせたい。その中で、強さを身につけてほしい」と、OB、指導者としての意図が読み取れる。
 
 実際、1軍での成績が43試合出場、打率.194に終わった1年目を振り返り、「2軍で成績を残せていたので、最初は自信を持って1軍に行ったのですが、途中からへばってきた。対戦が増えると、研究されて厳しいところを攻められた。そこも工夫していかないと打てないなと、勉強になりました」と、語っている言葉からも、その成果は十分あったと言っていいだろう。「へばってきた」と自覚した9月中旬には、体重は約3キロ減。安打も、最後の10試合で2本のみで、1軍でも2割2~3分をキープできていた打率も、最終的には下がってしまった。
 
 その教訓から、オフにはベスト体重の75キロから4キロ増やし、キャンプイン。
 
「シーズン中、自然と落ちてしまうと思うけど、どんなに減っても、75キロは切らないようにしたい」
 
 今季、本格的にレギュラー奪取に挑戦するためにも、シーズンを通したコンディション管理を、オフの間にしっかりと考えてきた。

【次ページ】野球センスの高さ
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