呉念庭が西武・長年の弱点を埋める。狙う正遊撃手の座、コーチ陣も絶賛の“野球センス”【2017年ブレイク期待の選手】
昨季、8月の中旬以降は遊撃手でスタメン出場していた埼玉西武ライオンズの呉念庭内野手。台湾のプロ野球チームで現在、監督を務めている父を持つ呉は、父親譲りの野球センスでチーム内でも絶賛されている。
2017/02/26
チームでの役割を見出した
もう1つ、大きな武器がある。それは、元台湾代表のプロ野球選手であり、プレミア12で台湾代表のヘッドコーチ、現在は中信兄弟エレファンツの監督を務めた父・呉復連(ウー・フーリエン)の存在だ。幼少時から、父とそのチームメイト達に囲まれて育った。
家では、父と共に日本のプロ野球中継をテレビ観戦し、1つ1つのプレーを事細かに解説され、自然と“野球のいろは”が刷り込まれていった。昨シーズン中も、中継で愛息子のプレーを見て、感じたことがあれば、「疲れているのか?」「打撃フォームがおかしい」「守備の一歩目が遅い」など、逐一電話でアドバイスを送ってくれた。
この、望んだからといて誰にでも与えられるわけではない環境遺伝子ほど強い武器はない。証拠に、1軍、2軍、すべての指導者が「野球勘がすぐれている」と、その野球センスに感嘆の声をあげる。
すでに、自分がチームに求められているもの、生き残る術をはっきり見出しているから、すべての取り組みに全くブレがない。真面目で研究熱心。信念が強く、周りの目を気にすることなく、シンプルに、ピュアに「対相手投手」に専念できる。技術力ももちろん大事だが、呉念庭の持つこうした要素こそ、実はプロ野球選手として成功するために必要な、最強の資質なのではないだろうか。
ルーキーに、遊撃手として昨年度社会人ベストナインに選ばれた源田が加入し、定位置争いは激化必至となった。だが、奪えれば「向こう10年安泰」とも言われる。現時点で、ライオンズで唯一空いているポジション。何としても手に入れたい。