侍Jキューバ戦は課題山積、継投も疑問。オーストラリア戦はどう戦うべきか?【小宮山悟の眼】
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕した。初戦のキューバ戦、侍Jは11-6と快勝したが野球評論家の小宮山悟氏はこの試合をどう分析するのか。
2017/03/08
6失点は大きな課題。則本の起用意図も不明確
ゲーム全体としては、試合が始まって変な形でピンチになった試合だ。普通に考えたらバタバタしてもおかしくない場面だが、先制点を許してはいけない場面で、石川は平静を装って投げた。侍ジャパンが主導権を握れるような流れができあがったと言っても過言ではない。
少しボールは高いながらも、縦に大きく曲がるカーブを上手く使った。あの球種は日本以外のピッチャーはほとんど投げない。あのボールを有効に使いながら、彼の得意球であるシンカーに頼るわけではなく、多様な球種を混ぜていた。
キューバは大会前から不気味さを感じていた。練習試合での仕上がりが悪く、そのことが逆に爆発するのではないかという怖さはあった。中盤以降に打線が繋がって日本の投手陣を打ち込んでいたのを見ると、1回に先制を許していたら、どうなっていたか分からない。勢いを付けられていたら、止められなかったかもしれない。
石川は好投したが、投手陣全体としては6失点したのは痛い。中盤、キューバのモチベーションが下がりつつある場面があったから、腰が浮くような感じになったのかもしれない。もちろん、6回に5点を獲って点差が開いたことで余裕を持ったわけではないはずだが、必要以上に点を獲られたことはこの先への不安要素だ。
継投については、則本をどう使っていきたいのかが見えなかった。昨日のゲームに関しては、6、7回までしっかり抑えて後は強力なブルペン陣に任せるという青写真だったのだろうが、7回まで引っ張ったということは、小久保監督の中には小刻みに継投する怖さがまだあるのだろう。則本の2イニングが完ぺきな内容だっただけに、3イニング目を続投させたい気持ちは分からないでもないが。