西武・菊池、OP戦で新球のフォークを試投。「シーズンに入ったらできないようなことをした」
2017/03/16
ともに開幕ローテーションを担う二人が先発し、終始ピリっとしない内容に課題を残した。
埼玉西武ライオンズ対中日ドラゴンズのオープン戦が15日、メットライフドームで行われた。
西武の先発・菊池雄星投手は5回2安打4四球2失点。腕が振れず、ストレートの制球がばらつき、スライダーのキレも良くなった。カーブとフォークで何とか散らしたものの、菊池の持ち味であるストレートで押すスタイルが鳴りを潜め「もう一度、ストレートを見直したい」と菊池は気を引き締めた。
一方、先発の一角として期待される中日ドラゴンズ・若松駿太投手は1回裏、いきなり2失点スタート。2回から持ち直したが、最終イニングの5回裏、西武の主軸・浅村栄斗内野手と中村剛也内野手に連続適時打を浴びて3失点。5回7安打5失点でマウンドを降りた。若松は「ランナーが出てから粘るのが自分の持ち味なのですが、それができていなかった。カーブもストレートも高かったし、チェンジアップも決まっていなかった」と表情はさえなかった。
気温も低かったこともあり、腕が振れなかったのは致し方がない部分はあっただろう。
二人の話を聞いていて、立場の違いが大きく作用した部分があったように思う。
例えば、菊池は新球のフォークを3球続けて投じるなど試している要素も垣間見えた。「(捕手の)岡田さんと話して、今日はシーズンに入ったらできないようなことをしようということでした。フォークを3球続けたり、追い込んでからのカーブとか試せた部分あった」と菊池は振り返った。ストレートが持ち味のピッチャーだが、ストレートが走らない時のピッチングの組み立てには、この日の試投は役立つはずだ。「次は開幕前の最終登板になるので、結果にこだわりたい」と締めた。
若松は変化球を多投していた点では菊池と変わらなかったが、「近藤コーチに言われたんですけど、配球面で僕はもっと考えて投げないといけない」と課題を挙げていた。もうすこし気持ちに余裕ができれば変わることができるはずだ。いまの彼のおかれた立場がローテーションを争う身な分、辛い所もある。ここをどう乗り越えるか。
とはいえ、若松は、ブレーキの効いたチェンジアアップなど特筆したボールを持っているのは大きい。この日はまだ制球されていなかったが、改めて楽しみな投手という一面は見せた。
「次、チャンスがあるかは分かりませんが、チームのローテ―ションが確定しているのは、2、3人だと思います。僕はそこに入れていないので、登板機会があればラストチャンスと思って頑張りたい」と気合を入れた。
チームでそれぞれ置かれた立場の違う二人。
開幕まであと一度しか登板機会がないなかで、どう仕上げてくるのだろうか。