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伊志嶺翔大、「絶対に見返したい」――背番号5との別れで芽生えた決意【マリーンズ通信#37】

オープン戦とはいえ、投打が噛み合っている千葉ロッテマリーンズ。その要因の一つとして、激しいチーム内の競争意識がある。伊志嶺翔大も、1年目のようなガムシャラさで、指揮官に猛アピールを見せている。

2017/03/21

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千葉ロッテマリーンズ



ガムシャラさを全面に

 そして、迎えたシーズンオフ。リハビリ中に愛着と誇りにしてきた背番号の、「38」への変更を打診された。ただ、そこでは受け入れるしかない自分の立場があった。
 
「やるしかないという思い。今年は絶対に見返したい。そういう思いだけで日々を過ごしている。そのために自分はとにかくアピールをし続けるしかない」 
 
 ルーキーイヤーからレギュラーを掴んだが2年目からは成績を落としていった。なにか足りなかったのか? シーズンオフは自己分析を繰り返した。そして番号が変わったこれを機にまた新人の頃のようなガムシャラな気持ちで立ち向かう決意が芽生えた。
 
「1年目は何に対してもガムシャラで、思いっきりがあった。2年目からはなにか自分を出し切れていない。もっとガツガツと、遠慮をしないでやっていかないといけない。もっと自分をどんどん出していく。そういう気持ちは2年目以降も、もちろん思っていたし、そうしないといけないとはずっと考えてはいたのだけど、どこか弱かったと思う。周りを気にしたりしないで、とにかく突進するような気持ちでグングン行きたい」
 
 決勝適時打を放った3月19日の試合。伊志嶺は7回に代打での途中出場だった。
 その場面も全力疾走でもぎとった三塁内野安打。前に飛ばせばなにかが起こる。歯を食いしばり、全力プレーを続ける姿は指揮官の目にも留まっている。
 
「インパクトのある結果を見せてくれた。なにがなんでも塁に出ようという姿勢がもぎとった、きたないヒット。去年、まったく結果が出なくて今年は背番号も変わって本人も今年はという想いがあるのだと思う」
 
 キャンプから全選手に競争意識を植えつけさせていた伊東勤監督としては華やかではないこういった形でのヒット、点の取り方に手ごたえを感じている。その象徴の一人として伊志嶺を見ている。そして「まだ開幕メンバーは決まっていない。ギリギリまで競争をしてアピールをしてもらう」とあえて突き放す。その中で芽生えた選手たちの競争原理が、オープン戦11勝1敗2分(3月21日現在)という強さの原動力となっている。
 
「今年は絶対に1年間、一軍で貢献したい。これからも今の気持ちを忘れずに必死にガムシャラに貪欲にやり続けていく。限界を超えるプレーを見せたい」 
 
 背番号「38」は力強く、語った。マリーンズは今年、多くの選手の背番号変更を敢行した。心機一転、そしてそれぞれの心に火をつけるために。いろいろな想いを胸に選手たちは開幕に目指して必死に戦っている。

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