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2015年ホークスの「注目人」 工藤新監督&松坂の人気は不変!?

キャンプインを間近に控え、ホークスの選手、監督らが必勝祈願を行った。工藤公康新監督の下、目指すはもちろん連覇だ。

2015/01/31

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Minako Furue



工藤監督の第一声は「ただいま!」

 1月30日気温7度、小雨舞う寒空の下、福岡市東区にある日本三大八幡宮の一つ筥崎宮には約5000人が集まった。
 
 片手に傘、もう片方にはカメラを持ち、誰よりも高い位置に構えようと背伸びをする人々。「雨だから人は少ないと思ったのに……」と、息を切らしながら人混みに駆け寄る年配女性。5000人のお目当ては、連覇を祈願に訪れるホークス選手たちだ。
 
 工藤公康監督を先頭に、今年も選手や球団関係者175人が参道をゆっくりと歩いていく。
 まだ来日していない外国人選手を除き、新チームになって一堂に会すのはこの日が初めて。本殿で祈願を終え、ファンの前に整列した。
 
 王貞治会長は「寒い中、ご一緒に出席・激励していただきありがとうございます。この寒さも身が引き締まりますね」とファンを気遣う。その吐く息は白いが、普段とは違い全員がスーツでビシッと決めた姿を見ようと、早朝から駆け付けたファンのおかげで、周囲には熱気が漂っていた。
 
 次に工藤監督がマイクの前に立つと、「お帰りなさい!」「監督、お帰りー!!」との声が飛んだ。笑顔で応える工藤監督。その第一声は「皆さん、ただいま」だった。
 
 今年の「注目人」を挙げるなら、まず工藤監督は欠かせない。日本一を成し遂げた秋山幸二前監督からバトンを受け、ホークスへと帰ってきた。
 
 1995年~99年、当時の福岡ダイエーホークスへと移籍してきたベテラン投手は、若かった城島健司を日本を代表する捕手へと育てあげ、投手陣の柱となった。99年には秋山前監督とともにチームを悲願の初優勝へと導いた。その年のオフ、FAでジャイアンツへの移籍が発表されると、残留を願う福岡のファンが署名活動を行い、その数は15万人にもおよんだ。結果的にホークスを去ったのだが、それだけ愛され必要とされる選手はそうはいない。
 
 16年の時を経て、今度は監督として福岡に帰ってきた。愛くるしい笑顔を浮かべファンの前に立った。
 
「皆さん、ただいま。ホークスではたくさんのことを学ばせてもらいました。何年でも優勝できる強いチームにできるよう、全身全霊をかけてやっていきます」と意気込みを語った。そして王会長らと並んで鏡割り。キャンプイン前の恒例行事を終え、こうも話した。
 
「監督としては初めてのことで、気持ちが引き締まりますね。選手時代はケガなく優勝できますようにと祈願していましたが、監督としては選手がグラウンドでイキイキと良い状態で悔いなく戦えるようにと願いました。レギュラーを守らないといけない選手、そこにチャレンジする若い選手。お互いに刺激し合って、明るいハツラツとしたキャンプを送ってほしいです」
 
 ファンの期待もしっかりと届いている。あの頃とは違い、勝つことが当たり前となった常勝ホークス。今年、連覇を目指せるのはホークスだけ。求められることは多い。
 
「(ファンから)お帰りなさいと言われて、胸が熱くなりました」
 その目はどの選手よりもイキイキとして見えた。

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