球春到来! 黒田、松坂、中島、田中……米国からNPBへ復帰した4選手の今季を占う【小宮山悟の眼】
今季は、米国から日本に復帰する選手が多い。異国の地で積んだ経験は、チームにとって大きなプラスとなるはずだ。彼らの加入によって、今季のペナントシリーズは一層面白いものになるだろう。小宮山悟氏にとって、彼らはどのように映っているのだろうか。
2015/02/01
松坂は、かつての感覚を取り戻せるか
松坂は黒田のケースとは少し違う。
米国でどれだけのチャンスを与えてもらえるか、と悩んでいた状況で、ソフトバンクから米国球団からのものとは天と地ほど差のあるオファーが届いた。ホークスで投げることを選択したことは、野球人として当然の答えだと思う。
メジャーのマウンドで先発することにこだわったら、相当厳しい競争が待っていただろう。場合によっては、招待選手としてスプリングトレーニングに参加して、そこでの投球を見てから判断されるというような契約になったかもしれない。そう考えれば、複数年契約を提示してくれ、じっくり先発で調整できるホークスを選んだのは、正しかったと言えるだろう。
心配な点を挙げるとすれば、2011年の手術以降、コンスタントに先発ローテーションをこなしていないこと。
個人的には、このコンスタントに起用してもらえず、リズムを崩したことが、彼が手術以降にメジャーで大きく活躍できなかった原因であると思っているのだが、いざ日本のマウンドで週に一度の先発を任された時に、それをコンスタントにこなせるのかどうか。いかにして、ローテーション投手として活躍していた以前のような感覚を取り戻すかが、ポイントになるだろう。
活躍するかどうかと問われれば、「やってくれる」と答えたい。投球フォームが崩れていて、以前のような球威はないという意見があることは承知している。実際、絶頂時と比べれば松坂の力が落ちていることは確かだろう。
ただ、経験を積んだ分、投球のコツのようなものをつかんでいる。そして何より、他の日本人投手たちとは元々のポテンシャルが違うのだ。日本球界の中で飛び抜けた存在……違う次元でプレーしていた投手なのだから、多少、力が衰えていたとしても、十分に通用するはず。黒田同様、ケガさえなければ、それなりの数字を残してくれるだろう。