キャンプで注目選手 「チームの大黒柱」になるか「オープン戦の星」で終わるか?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、球春到来ということで、少し気は早いがオープン戦の成績上位の選手が公式戦ではどういう成績になったかを調べてみた。特に若手、新人、新外国人はキャンプの紅白戦から注目していくと、より面白く野球を楽しめるだろう。
2015/02/01
キャンプ、オープン戦の成績がレギュラーシーズンに直結しない
NPBは今日から一斉にキャンプが始まった。キャンプからオープン戦へ、野球のシーズンは加速度的に近づいてくる。
オープン戦は当初、沖縄や宮崎などキャンプ地の周辺から始まり、徐々に北上する。はじめは若手選手や新人、新鋭選手が多いが、次第に主力級、ベテランも出場するようになる。
キャンプでの紅白戦の結果などを踏まえて、毎年のようにオープン戦で素晴らしい活躍をする選手が出てくる。
そのたびに「新スター誕生か?」とメディアは色めき立つが、いざシーズンが始まると、成績が振るわなかった、そんな例は多々ある。
古い話で恐縮だが、1970年代の阪急ブレーブスの投手、今井雄太郎は毎年のように「オープン戦の星」になっては、シーズンに入ると苦しい登板が続いた。
入団以来、実に7年間もそんなシーズンを送った。この間わずか6勝、体格は立派で球も速かったにも関わらず、自信が持てなかったのか実力が発揮できなかったのだ。
しかし登板前に酒を飲んで登板するようになると、好投しはじめた。8年目に完全試合を達成し、その年は13勝をあげた。以後、最多勝を2回獲得、通算130勝の大投手になった。
キャンプでの紅白戦や、オープン戦は選手の実力を占う重要なテストではある。しかしその成績がレギュラーシーズンにそのまま反映されるとは限らない。
オープン戦の成績とレギュラーシーズンの成績は、どれくらい関連しているのだろうか。
過去5年間、オープン戦で投打のベスト10に入った選手のレギュラーシーズンの成績を調べてみた。