初の開幕一軍! 加藤翔平、苦い誕生日を乗り越えて……指揮官の言葉が転機に【マリーンズ通信#38】
プロ入り初の開幕一軍入りを果たした加藤翔平。昨オフ、披露宴で指揮官からもらったメッセージを胸に刻み、今シーズンの飛躍を誓う。
2017/03/29
千葉ロッテマリーンズ
プロ入り初の開幕一軍入り
結婚式の翌日、さっそく本屋に足を運んだ。まずは体を柔らかくする本を買い込み、読み漁った。ストレッチ用のマットも購入し、実践した。人並み外れた身体能力と肉体を持ちながらも、関節などが硬いことは小さい時からの課題だった。それはアマチュア時代からも何度も指摘されていたが、なかなか克服できずにここまできた。プロ5年目、指揮官の檄を大きなターニングポイントにしないといけないと肉体改造に取り組んだ。
「体もそうですが、おっしゃるように考え方も硬かったです。もっと、いろいろと考え方を聞いて、良いものを吸収しないといけないと思う。自分のダメな部分をしっかりと見つめ直して、それをどのように補っていくかも考えないといけない。気持ちの切り替えも大事。この世界、頭が硬いと成功は出来ないと思います。今年はとにかく、体も頭も柔軟に取り組む。監督のメッセージをいただき、そう決めました」
今年、加藤の目の色は明らかに変わった。周囲もその姿を高く評価する。そして、その潜在能力を高く評価している指揮官もまた貪欲な姿勢でアピールをする加藤に期待をしている。柔らかくあれ。野球への取り組み方とその身体能力に柔軟性が身につけば、加藤はトッププレーヤーに上り詰める可能性が十分にある。2017年シーズンは、その大きなチャンスの年となりそうだ。
3月28日、加藤は26歳の誕生日を迎えた。この日、チームは開幕戦の舞台、福岡入りをする前のZOZOマリンスタジアムでの最後の全体練習を行い、そこに背番号「65」の姿があった。2月の石垣島キャンプから必死にアピールを行い、ライバルとの競争に打ち勝ってのプロ入り初の一軍メンバー入りだった。初めて福岡での開幕戦に挑む。何度も涙をした誕生日。今年は前向きな気持ちで新しい1年をスタートさせることができる。飛躍の年が始まる。