菊池の快投支えた“守って走る“辻イズム。開幕戦勝利で見えた新生・西武のカラー
埼玉西武ライオンズは3月31日に、札幌ドームで開幕を迎えた。昨季日本一の北海道日本ハムファイターズ相手に、開幕のマウンドを任された菊池雄星投手は7回1失点と好投。野手陣は緊迫した場面でも完璧な連係プレーを見せ、失点することなく1-8で倒した。辻発彦新監督の下での1勝目は、今季の西武は一味違うことを証明する試合になった。
2017/04/01
開幕戦の勝利は“ただ打つだけのチームじゃない”証明
指揮官の晴れやかな表情がこの日の勝利の充実度を物語っていた。
3年連続Bクラスに甘んじた西武が、昨季の王者・日本ハムを圧倒する開幕星を挙げた。昨季はチーム本塁打がリーグトップの128本を記録するなど打ち勝つ野球を身上としていたが、今年は新たなカラーを見せての勝利だった。
「2回の2得点の場面ではああいう形の点の取り方がなかなかできなかった。守備でも昨季は100失策もしたチームが守備で勝てる試合をした。そういう意味ではいい開幕戦でした」
辻発彦新監督はそういって満開の笑顔を見せた。
先発のエース・菊池雄星が7回を4安打1失点にまとめ、打線は今季から主将を務める浅村栄斗の4安打3得点の活躍で8-1の快勝。これからを担う投打の新世代の活躍には、新生西武の船出を祝うかのようだった
二人の活躍は見事だったが、辻監督のカラーが出たのはもっと細かなところだ。
先のコメントにある、2回表、2得点を挙げた場面がそれだ。
この回、先頭の中村剛也が四球で出塁、続く5番の栗山巧が左翼フェンスへの二塁打で2、3塁の好機を作ると、1死から7番・木村文紀は遊撃ゴロ。日本ハムの遊撃手・中島卓也が本塁に転送するも、三走の中村がタッチをかいくぐって生還した。続く1死一、三塁で炭谷銀仁朗を迎えた場面では、ツーナッシングで追い込まれていたところを、1走の木村がスタートを切る。炭谷は「キムが走ったら、軽打をしようと頭で考えていた」と図ったかのように一塁側に転がし、三走・栗山が生還した。
「最初の2得点はもらったようなもの」。指揮官が満足そうにそう振り返ったのは得点の上げ方がただ打つだけじゃないことをチームとして実践できたからだ。