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巨人一筋17年目、阿部の熱き魂。“とばっちり控え”村田の執念、2つの記録…幾多の想いが打棒奮わす

オープン戦最下位で心配されていた読売ジャイアンツだが、蓋を開けてみれば中日ドラゴンズとの開幕カード3戦全勝と勢いに乗っている。その背景には、17年間ジャイアンツ一筋でプレーしてきたあの男の猛奮起があった。

2017/04/05

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視野が広く器の大きい4番

 2017年の巨人が快調に白星街道を突き進んでいる。中日を相手に本拠地・東京ドームで3タテを食らわし、さらに4月4日の敵地・横浜スタジアムでの横浜DeNAベイスターズ戦でも快勝して開幕4連勝。その原動力となっているのが、4番に座っている主砲の阿部慎之助内野手だ。今季から再び内野手登録となり、より打撃に専念できる形になった。
 
 それが功を奏してか、3月31日の開幕戦で1号先制2ラン、翌4月1日の今季第2戦で3号逆転サヨナラ3ランと本塁打を連発。そして2日の第3戦でも同点適時打を放つなどして開幕3戦連続マルチ安打とし、4日のDeNA戦でも8回にダメ押しの3号2ランを放った。シーズン早々から凄まじい爆発力で存在感を見せ付けている。
 
 大型補強が何かとクローズアップされていたものの、FAで加入した注目選手の陽岱鋼外野手(前北海道日本ハムファイターズ)と山口俊投手(前横浜DeNAベイスターズ)の2人はケガの影響で結局開幕に間に合わなかった。
 
 しかし、そのマイナス材料を忘れさせるぐらいにベテランの生え抜きが猛奮起している。一体何が、この38歳の心を突き動かしているのか。おそらく1つは大型補強で入ってきたケーシー・マギー内野手の存在に火をつけられているのだろう。
 
 フロントがかつて東北楽天ゴールデンイーグルスやメジャーで活躍したマギーを獲得した理由として正一塁手の阿部、そして正三塁手のポジションに就く36歳の村田修一内野手をバックアップできる経験豊富な実力者として見込んだことが推察される。そのマギーはオープン戦期間中の時点では深刻な打撃不振にあえいでいたこともあり、さすがに開幕から控えに回されるだろうとの見方も多かった。
 
 しかしながらいざフタを開けて見ると開幕3連戦でマギーは「5番・三塁」として先発出場。「新助っ人」という肩書きがやはり重宝されたのかもしれないが、いずれにしても結局、村田がスタメンを外される形になった。
 
 ジャイアンツ一筋、プロ17年目。主将の経験もある阿部はチーム全体に視野を広げることができる器の大きな男だ。確かに自分は開幕から正一塁手として先発出場し続け、今のところ主砲として大暴れできている。

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