巨人一筋17年目、阿部の熱き魂。“とばっちり控え”村田の執念、2つの記録…幾多の想いが打棒奮わす
オープン戦最下位で心配されていた読売ジャイアンツだが、蓋を開けてみれば中日ドラゴンズとの開幕カード3戦全勝と勢いに乗っている。その背景には、17年間ジャイアンツ一筋でプレーしてきたあの男の猛奮起があった。
2017/04/05
「修一の執念を感じた」
だが一方でもう1人のベテラン・村田は昨季三塁手としてゴールデングラブにも輝き、打率3割2厘、25本塁打、81打点と攻守の要となったにも関わらず、ベンチウォーマーの憂き目にあっているのが現状。もちろんマギーに非はないとはいえ〝とばっちりを受けた感のある〟村田の心情は察して余りある。
村田も、そして自分もまだまだやれるし、バックアップメンバーに頼らなければならないほど実力は衰えていない。そうした強い気持ちが阿部の心中に芽生え、開幕から驚異的な打棒爆発につながっているのだと思う。
実際、1日の第2戦でサヨナラ3ランを放った試合後のヒーローインタビューで阿部は同じ9回に代打で安打を放ってお膳立てをした村田についてこう述べていた。
「修一の執念を感じたから…。何とかしたかったです」
このとき、東京ドームのスタンドから嵐のような拍手と歓声が沸き起こった。きっと来場したファンの方々も共感したのだろう。
このまま順調にいけば今季中に2000本安打達成、そして原辰徳氏の記録した通算本塁打数382本を抜いてONに次ぐ巨人史上歴代3位のホームランアーチストとなることも十分に可能だ。カウントダウンの始まった2つの個人記録も無論、本人のやる気を今まで以上に後押ししていることだろう。
さまざまな要素に触発され続け、熱き魂を持つ背番号10のバットから快音が延々と響き渡れば、巨人の日本一奪回も大きく近づいてくるはずだ。