【ロッテ】ルーキー佐々木が見せた老獪さと若さ。伊東監督は愛のムチ「風に慣れてもらわないと」
千葉ロッテマリーンズに16年ドラフト1位で入団した佐々木千隼が6日、プロ初勝利を挙げた。伊東勤監督は5回を投げ切ったことを評価しつつ、期待大のゴールデンルーキーには今後の課題も伝えている。
2017/04/07
初登板で能力を発揮
千葉ロッテのドラフト1位ルーキー佐々木千隼がプロ初勝利を挙げた。
今季から入団したルーキーの先発投手として、あるいは、チームで今季これまで先発した投手として初めての勝ち星である。改めて、佐々木の持っている能力の高さや運といったものを見せられたようだった。
「最初に勝てたのは良かったのかなと思います。嬉しいことですし、ひとつ勝つのは大変なことだなと感じました。もっともっと成長して勝ちを増やしていきたいと思います」
初々しい言葉とは裏腹な落ち着き払ったインタビューの受け答えは新人離れしているというのは印象だ。マウンドでもそうだった。連続四球を出しながらも、大崩れしない。5回を投げて毎イニングで四球を許しながらの粘りのピッチングは、ルーキーというより、ベテラン投手が魅せる老獪ぶりだった。
「田村(龍弘)が試合の途中からカーブが使えるということだったので、それを上手く使えたかなと思います。(マリン特有の)風の影響もあって、変化球が良く曲がってくれた」
試合前、日本ハムの栗山英樹監督が佐々木投手について「今年の新人のなかでは一番に勝つ投手」というスカウトのからの報告があったと話していたが、ルーキーの勝ち星1番乗りは時間差で奪われたものの、先発投手の中での1番星を挙げることができたのは、彼がアマチュア時代から持つ能力が発揮されたからといっていいだろう。
もちろん、課題がないわけではない。
佐々木本人は「ストレートもそうですが、変化球のコントロールなど、まだまだやることがあります」と晴れやかではない表情を垣間見せた。
実際、指揮官のロッテ伊東勤監督も「苦労しながらゲームを作ってくれた。崩れそうになりながら踏ん張れるのが彼の力。初登板で5回を投げ切ったことは評価できる」と前置きしながら、総じて、佐々木のパフォーマンスを素直には喜んではいなかった。
「これからこの球場で投げていくわけだから、(マリンの風など)もっと慣れてもらわないといけない」
ゴールデンルーキーへの熱い叱咤にも聞こえるが、捕手出身の伊東監督には彼の課題が見えているのだ。伊東監督は5回で降板した佐々木に対して、次回の課題を伝えたという。
「細かい所です。例えばけん制とかね、ランナーを出した時のピッチングは研究していく必要があります」