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凡戦敗戦にも一見の価値あり。平日デーゲームに野球観戦できる幸福感【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#48】

143試合、ファンであれば当然すべての試合で勝ってほしいと願うはずだ。しかし現実はそうはいかない。快勝、接戦を制した勝利もあれば、大敗、惜敗、思い出したくもない負け試合など千差万別だ。しかし、どの試合をとってみても、それぞれ見どころはある。

2017/04/10

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バカ試合、ダメ試合だって独特の味がある

 四球とエラー、野球をグダグダにしてしまう要素を煎じつめるとこの二つじゃないか。いや、まぁ、「めった打ちを食らう」という、もうひとつのパターンもあるにはあるんだが、打たれてる分には納得がいくというかあきらめがつく。5日の試合は7回裏、宮西尚生が2ランを浴びたこと自体は(非常に苦い現実ではあるが)納得するしかなかった。問題はそこに至るまでの流れの悪さだ。
 
 レアード、中田のエラーの連鎖を見たとき、たぶんファイターズファンの全員が嫌な予感にとらわれたと思うのだ。正確には嫌な予感というより、確信に近いかもしれない。夏のゲリラ豪雨を連想してほしい。サーッと冷たい風が吹く。向こうの空が真っ黒だ。うわ、やばいと思う間もなく大粒の雨が地面を叩きだす。その「うわ、やばい」の瞬間なのだ。僕らは球場で「うわ、やばい」を何度も何度も経験する。
 
 何とかおさまってくれと祈ることはできる。が、おさまらないだろうなとわかってる場合も多い。で、5秒後に全身ずぶ濡れ的なゲリラ豪雨の直撃を受け、むしろ、ほらな、やっぱりなと思う。うわーい、雨雨降れ降れ、水びたしにしろ、もし雨がやんだりしたら許さねえぞごらぁぐらいの気持ちになっている。そうだ、「バカ試合」は途中からは観客も心のどこかでそれを望んでいる。祈りははかなく消え、望みは半ば叶ったのだ。
 
 で、僕が今回主張したいのは、バカ試合、ダメ試合も立派な野球だということだ。僕はいいときだけのファンじゃないから、凡戦だって数限りなく見る。むしろほとんどは凡戦かもしれない。いい試合にばかり当たろうなんてムシがよすぎるのだ。数多く見てるうちに(慣れるのか)凡戦には凡戦のよさがあると思うようになるし、バカ試合、ダメ試合にも独特の風味があると思うようになる。
 
 5日の平日デーゲームは6対7、1点差の負けだった。やっぱりか。やっぱりこういうものを見たのか。そう得心がいくような感覚だった。まぁ、大谷翔平の大ホームランは飛び出すし、石井一成、横尾俊建はスタメンで活躍するし、これで、一体何を不足に思うことがある、何といっても大概の人は真面目に働いているんだぞと考えていた。ドンマイ、ドンマイ!
 
不振続く中島卓也。『鎌ヶ谷の野球の虫』へ原点回帰せよ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#49】
 

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