パで低迷する2球団は雲泥の差。“二刀流・大谷の不在”に悩む日ハム、“青写真がない”ロッテ【小宮山悟の眼】
プロ野球が開幕して対戦が一回りした。セ・リーグは広島が一歩リードし、パ・リーグは、昨年Bクラスに沈んだチームが好調で順位が逆転している。昨季の日本一に輝いた北海道日本ハムファイターズは4勝16敗で最下位。昨季3位の千葉ロッテマリーンズも6勝13敗と苦戦している。今回はこの両チームの低迷について取り上げたいと思う。
2017/04/25
ロッテの低迷は深刻
日本ハムとロッテでは低迷の原因は全く異なる。
日本ハムは、二刀流の大谷翔平投手が故障して不在だということに尽きる。投打の両面に穴が開いてしまっている。さらには打者では中田翔、投手も有原航平の不調や外国人が二人とも離脱するなどベストメンバーを組めていない。
現状は苦しい状況だが、23日からは中田が戻り、大谷はいつになるかは分からいが、戦力が整えば、それ相応の試合はできるはずだ。今いる選手たちは「何とかしないといけない」という気持ちが強すぎてドツボにはまっているが、チームが弱体化している原因は誰の目に見ても明らかなので、けが人さえ戻ってくれば大きな問題ではない。
一方、6勝13敗と苦しんでいるロッテは深刻といえる。
打線の核となるべき人物がいないのが一番の原因だ。昨季のチームから主砲のアルフレド・デスパイネが抜けた。さらに、彼がいなくなっただけではなく、ロッテが勝たなきゃいけないライバルチームにいるというのも大きなダメージだろう。そして、デスパイネの変わりとして補強した二人の外国人がほとんど打てていない。
プレーしている選手からすると、「デスパイネがいたら…」という気持ちに駆られているはずだ。チームづくりとしてはもっともいけないパターンになっている。そこへ加えて、チームで一番打つ選手である角中勝也がわき腹を痛めて離脱している。
とはいえ、1カ月でシーズンが終わるわけではない。ここからどうチームを作り替えていくかが重要だ。ロッテは22日にホームランが打てるジミー・パラデスを抹消した。ややもすると、彼はこのままシーズン途中で帰国することも考えられる。彼自身は打てると思って大手を振ってやってきたが、いまは日本野球のレベルが高いことに戸惑っているだろう。また、これだけ変化球の比率が高いとは、思っていなかったに違いない。
さらに、外国人以外にも、チームとして核になるべき選手が育っていないのは気になるところだ。例えば、私の後輩だから厳しくいわせてもらうが、中村奨吾はレギュラーを獲っていないといけない選手だ。何をやっているのだという話だ。そして、いまは平沢大河と大嶺翔太が遊撃手で起用されているが、平沢の育成法も考えないといけない。