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9回から7回へ。DeNA山崎康晃、配置転換も前向く理由「パットンの存在が自分を成長させる」

4月23日、横浜DeNAベイスターズの9回表のマウンドには山崎康晃投手が立っていた。本拠地・横浜スタジアムは“ヤスアキジャンプ”で迎えたが、セーブシチュエーションではなく、ビハインドでの登板だった。4月14日の阪神タイガース戦を最後にクローザーの任を解かれ、配置転換となっている。それでも山崎康は前を向いている。

2017/04/25

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囲む取材陣の少なさが物語っているものとは

「あそこで投げるということはタフだぞ」
 
 横浜DeNAベイスターズの木塚敦志ピッチングコーチは、山崎康晃にそう告げた。
 
「負けている展開でも行かなければいけないし、いつ出番がくるかもわからない。それでも頑張れるか?」
 
 木塚コーチの言葉に対し山崎は「やらせてください」と、力強くふたつ返事で答えた――。
 
 クローザーからセットアッパーへの配置転換。山崎は4月13日と14日のタイガース戦で救援に失敗し、アレックス・ラミレス監督から直接セットアッパーへの転向を命じられた。代わりのクローザーに指名されたのは新外国人のスペンサー・パットンだ。ラミレス監督はこの山崎の配置転換について「去年とは同じにしたくはない。今年はチームが優先。勝ちにいく」と述べている。調子を落としてしまった山崎を主に7回に起用することで、もし失点をしても残りのイニングの攻撃で逆転の可能性を残すといった狙いがそこにはあった。
 
 4月23日の中日ドラゴンズ戦、山崎は0-1とビハインドの9回表に登板し、今シーズンから使いだした新球スライダーを主体にドラゴンズ打線を0点に抑えた。
 
 試合後の選手取材の際、番記者のほとんどがこの日1失点で先発の務めを果たしたフィル・クラインに群がる一方、山崎に話を聞きに行ったのは筆者とフリーランスの記者のふたりだけだった。この状況がいまの山崎の立場を表していると言っていいだろう。
 
 だが山崎の言葉は常に前向きで力がこもっていた。記者が「クローザーほどプレッシャーのかからない場面での登板は気持ち的な余裕というか、スライダーを軸に投げるといった選択もセットアッパーの立場だからできているのではないか?」と訊ねると、山崎は納得した表情で次のように答えた。
 
「その日のコンディションにもよりますが、確かにクローザーのときとは違いますよね。クローザーはもっとも自信のあるボールを投げることが一番のリスク回避になります。とにかく納得のいくボールで初球から勝負しなくてはいけない。けど今はこれまでとは目先を変えてスライダーやツーシームで入ってみたり、これまでとは違うことにも挑戦できるようになったので、以前よりも確実に視野は広がっていると思います」
 
 山崎はこの状況を試練ではなく好機ととらえ、ピッチャーとしての幅を広げようとしている。
 
「いろんな意味で進化できると考えているし、こんなもんじゃないと僕自身信じて投げているので、もっと良くなっていけると思います」
 
 そして決意をした表情で次のようにつづけた。
 
「こうなったのは僕に責任があります。そこはしっかりと自覚をもって取り組んでいきたいし、これまで以上に万全な準備をして挑んでいきたい。9回とか7回とか関係なく、ラミレス監督とコーチと約束したことを、人間として全うしたい」

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