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“巨人の次期エース”と騒がれ7年。神輿から降ろされた宮國の再起をかけた934日ぶり先発【死亡遊戯コラム】

読売ジャイアンツの宮國椋丞投手が27日、14年10月以来934日ぶりに先発のマウンドに上がった。先発復帰戦白星とはならなかったものの6回1失点と好投し、先発として再スタートした。

2017/04/29

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キャンプから再び先発調整に

 競争の激しいビッグクラブ巨人には次から次へと新しい投手が入って来る。
 菅野やマイコラスといったエース級、実績のある大竹寛のようなFA組、自分より若い95年生まれサウスポー田口麗斗、年上のオールドルーキー高木勇人らの加入でローテの谷間からも弾き飛ばされ、宮國が辿り着いたのは先発でも抑えでもセットアッパーでもない「中継ぎ投手」のポジション。
 
 15年は39試合に投げて防御率2.94、16年は34試合で2.95。十分1軍ブルペンの戦力としてチームに貢献した。
 ただ、胸に引っ掛かる妙な寂しさがあったのは事実だ。あれだけの逸材が、プロ7年目でこのポジションに収まってしまった不完全燃焼感。
 
 だから、春季キャンプでの宮國の先発調整というニュースは嬉しかった。2軍でも1792日ぶりの完封勝利を含む15イニング連続無失点を記録。
 
 そして、ようやく27日の広島戦で1軍では14年10月以来934日ぶりの先発マウンドへ。
 
 2年目の150キロ近い直球でグイグイ押すスタイルではなく、セットポジションから丹念にコーナーをつきゴロアウトを積み重ねる丁寧な投球で6回1失点の好投。
 味方打線が沈黙し負け投手にこそなったが、次回登板への手応えを残してマウンドを降りる背番号30。
 スランプ時の常に不安げな少年のような表情も消え失せ、25歳の落ち着いた大人の男がそこにいた。
 
 誤解を怖れず書けば、いつの時代も「期待の若手選手」が世に出るとき、首脳陣・マスコミ・ファンがみんな一緒になって神輿を担ぐ。
 数年前の宮國もそうだった。
 だが、祭りはいつか終わる。そして、プロ野球選手としての日常が始まるのだ。当たり前のように1軍でイチ中継ぎ投手として投げ続けた日々。プロとしてのキャリアはこれからが正念場だ。すべての若手選手は、神輿から降ろされた時が勝負なのだから。
 
 祭りのあとで、25歳の宮國椋丞は先発投手として確かな再スタートを切った。

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