グリエル兄弟「日本の話はよくしている」 キューバ、カリビアンシリーズ準決勝へ
2月2日にプエルトリコで開幕したカリビアンシリーズ。現地2月7日に行われる準決勝と8日の決勝を残すのみとなった。キューバは苦しみながらも、準決勝に進出。グリエル兄弟にも現在の状況を聞いてみた。
2015/02/07
Yasumitsu Takahashi
グリエル兄弟の今
こうした中で、第3戦（2月4日）の試合前に、DeNAでのプレーが発表されたユリエスキ・グリエルと弟のルルデスJrに話を聞くことができた。兄ユリエスキは今大会の注目選手の一人として、常に多くのマスコミが追いかけており、この日はチームメイト失踪の報道や、不調のチーム状況もあいまって、さぞピリピリしたムードかと思いきや、意外なほど気さくに話してくれた。
－－日本のファンはあなたのコンディションを非常に心配していますが、いかがでしょうか？
今は非常にいいですよ。フィジカル的にも問題ないですね。日本のシーズンは長かったですし、その後でキューバリーグでプレーしていますが、今のところ問題はないですね。
－－今おっしゃったように、日本のシーズンを終えてから、11月はキューバ代表としてセントロアメリカ競技大会に参加、12月にはキューバリーグに、そして今カリビアンシリーズとプレーし続けていますが、休む時間はあったのでしょうか。
正直言ってないですよ（苦笑）、1年中プレーしていますからね。まあこればかりは仕方ないですね。
－－1月には背中の不調ということで国内リーグを欠場していましたが、その状態はいかがでしょうか？
ええ、あの時は背中に違和感があって2試合欠場しましたけど、今は大丈夫です。
－－今大会は連敗スタートとなってしまいましたが、チームの雰囲気はどうですか？
ヒットは出るんですけど、勝負どころで併殺打という感じで流れが良くないですね。もっとランナーがいる場面で集中しないといけない。連敗はしましたがチームはモチベーションを保っています。今日勝てばまだ可能性は残るでしょうし、とにかく今日の試合に集中することが大事です。
－－ルルデスJrに日本球界についてのアドバイスをすることはあるのですか？
ええ、よくアドバイスしています。対戦相手のビデオを見せたりしていますし、対戦するであろうピッチャーについての話もします。でも、最初のうちは少し苦労するかもしれません。
－－今季の日本での目標は何でしょうか？
まず、健康にプレーすることが第一です。そしてチームは長い間優勝から遠ざかっていますから、そのための貢献をしたいですね。
弟のルルデスJrは今大会、ここまで出番はない。しかし、「ベンチの中からでも色々と学ぶことがある」と前向きに語ってくれた。
－－1月には手の負傷で欠場がありましたね。
ええ、スイング時に左手に違和感がありました。カリビアンシリーズもあったので大事を取りましたが、今は問題ありません。
－－キューバ国内では、多くの人があなたがキューバの将来を背負う選手だと言っていますね。
そう言ってもらえるのは、すごくうれしいですね（笑）まだ21歳ですし、今シーズンは調子がいいですから、そう言ってもらえているのかもしれません。
－－これまでに日本のチームとプレーした経験はありますか？
17歳の時にカナダで行われたジュニアの世界大会でアジアの3チームと対戦しました。15歳の時に参加した台北の大会でも対戦したという記憶があります。
－－日本でプレーするにあたって、お兄さん（ユリエスキ）からのアドバイスはありますか？
日本はよく練習すると言われました。メジャーリーグに次ぐリーグだと思いますし、規律だったリーグというイメージを持っています。
－－日本のファンは、グリエル兄弟がいつ来日するのかということを話題にしています。
いつというのは僕らもわからないんです。
－－ご自身で希望を伝えたりということはあるのですか？
（苦笑）キューバではそういうことはないですね。僕らは待つしかないですね。
－－所属チームのインドゥストゥリアーレスも準決勝ラウンド、決勝と進む可能性を残しています。そこまでプレーするのでしょうか？
ええ、チームは今いい調子なので、ファイナルまで行く可能性もあると思います。でも、いつまでプレーするかということは、やはりわかりません。
－－日本のファンへメッセージをお願いします。
早く日本でプレーするのが待ち遠しいです。100％を尽くしてプレーします！
準決勝の相手はベネズエラ、デスパイネの奮起を
両選手ともチームが難しい状況にある中で非常にリラックスムードで対応してくれた。ただやり取りそのものが極めて優等生的な発言に終始したのは彼らを取り巻く状況を考えると致し方ないのだろう。
現地報道を見ても、キューバ選手は言葉を選んでいるという印象である。
さて、優勝を至上命令にプエルトリコに乗り込んできたキューバ代表ピナール・デル・リオにとって1勝3敗という数字は不本意に違いないが、なんとか準決勝進出となった。ここからは一発勝負であり予選リーグでの不調も関係ない。
注目の一戦は現地2月7日19：35（日本時間2月8日8：35）から、対戦相手は予選リーグ4戦全勝で1位通過のベネズエラ代表（カリベス・デ・アンソアテギ）である。4試合で15打数4安打1打点，打率.267の3番グリエル、16打数5安打で打率.313という数字は残しているものの長打0、打点0という4番デスパイネの奮起が期待される。