山田哲人、打撃低迷も米スカウト陣は熱視線。筒香嘉智を超える高評価の理由とは?
東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手が極度の不振に陥っている。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では主に1番・指名打者として出場し、活躍を見せていた山田に、メジャー関係者は興味を示している。
2017/05/02
山田ならメジャー独特の球にも対応できる
どうしても日本のメディアの間では中田翔内野手(日本ハム)や筒香嘉智外野手(DeNA)のホームランアーチストたちに焦点が当てられがちだったが、実際のところメジャー球団のスカウト陣の間では山田に対する興味のほうが高かった。
「山田のスイングスピードは日本人選手の中でもトップクラス。日本人打者は手元で変化する独特のムービングファストボールに苦労することが多いが、彼はボールを呼び込んで打つタイプの打者ではなく基本的に前でさばくからうまく適応できる可能性が高い。レベルの高い打撃技術に加えて盗塁も計算できる。彼がメジャー移籍を表明すれば、確実に争奪戦となるだろう」
そういう内容の山田評を複数の極東スカウトから何度も耳にした。これに補足するならば、ヤクルトには過去にポスティングシステムで所属選手のメジャーリーグ移籍を容認してきた経緯がある。それだけにメジャー関係者の間では「山田に関しても本人が希望すれば、ヤクルトは海外FA権を取得する2021年より前にメジャー移籍を容認するのではないか」と見られているところもあるようだ。
今の山田はトンネルから抜け出せずに苦労しているが、シーズンは始まったばかり。まだまだ挽回のチャンスはいくらでも残されている。Bクラスに沈むチームを浮上させるためにも5月反抗で自身の打撃を上向きにさせなければならない。
不振に苦しむ中、プラス要素もある。この5試合では24打席のうち、実に6つの四球を選んで出塁を重ねている点だ。1日現在で四球数21はリーグトップ。こうした選球眼の良さは、必ずや後にバットから快音を響かせる好材料となるはずだ。
そして今季も3年連続でトリプルスリーを達成できれば、メジャーリーグもいよいよ放っておけなくだろう。山田の驚異的なV字回復に期待したい。