ドラゴンズ投手王国再建へ先発争い あの快投を再び!未完の大器・伊藤の逆襲なるか?
大野、山井のあとに続く先発陣が、ドラゴンズの課題である。復活を期す吉見、ベテランの山本昌、朝倉、ルーキー、新外国人……いやいや、ドラゴンズファンとしては、永遠のエース候補・伊藤の奮起に期待したい。
2015/02/09
崖っぷちのエース候補
いよいよ春季キャンプが始まった。
ドラゴンズの課題は先発投手陣の再整備。森繁和ヘッドコーチがキャンプイン前日に明かした先発投手の構想は以下の通りだ。
1 大野雄大 山井大介
2 野村亮介 浜田智博
3 吉見一起 八木智哉
4 伊藤準規 雄太
5 川上憲伸・朝倉健太 山本昌
それぞれ右腕と左腕の組み合わせになっている。
ここに新外国人のバルデスとリーバスが加われば合計13人。13本柱の竜の城? いやいや大野、山井の左右両エースコンビはともかく、即戦力の期待がかかるとはいえ、2番目にルーキーコンビがラインナップされているあたり、なんとも心許ないのが正直なところだ。
そこで奮起が期待されるのが、順番としてはルーキーコンビに故障明けの吉見、オリックスを戦力外となった八木の次となった、7番目の男だ。
未完の大器、永遠のエース候補、伊藤準規である。
身長187センチ、最速153キロを誇る本格派の大型右腕。
2008年のドラフト2位入団であり、地元出身で、誰もが認めるイケメン。
与えられた背番号18は、近い将来、間違いなくドラゴンズのエースになる存在だと考えられていた何よりの証拠だ。
しかし、エースのライセンスは昨年ついに剥奪され、現在は背番号65に甘んじている。伊藤準規、崖っぷちのエース候補である。
プロ5年で通算4勝しかしていない伊藤準規に、なぜドラゴンズファンは期待してしまうのだろうか。
2009年、ルーキーイヤーのプロ初登板は巨人戦、しかもミスタードラゴンズ・立浪和義の引退試合というプレミアムマッチだった。このお膳立てを見ただけでも、落合博満監督以下、当時の首脳陣の期待感がよくわかる。躍動する18歳は、149キロのストレートを武器に1回無失点。149キロのストレートで阿部慎之助を空振りに斬ってとったシーンに、ナゴヤドームは沸きに沸いた。
2010年、プロ2年目は開幕ローテーション入り。吉見、チェンのダブルエースに次ぐ、第3の男としての大抜擢である。伊藤は2回目の先発で阪神打線を8回1失点に抑える快投を見せ、見事にプロ初勝利を飾った。
順調だったのはここまで。
次の登板時には苦手のクイックモーションを突かれて敵の盗塁の嵐に沈み、二軍落ち。その後は故障もあって、この年は二度と一軍に昇格することはなかった。
2011年も故障に泣き、優勝争いを繰り広げるチームを横目にチラッチラッと復帰、計2勝を挙げるも、存在感は発揮できず。2012年も故障で出遅れ、滅多に姿を現さなくなったチラリズムの男・伊藤準規が光り輝いた瞬間、それは2012年のクライマックシリーズだ。