阪神・鳥谷敬が昨季から一転し絶好調のワケ。12年ぶりVへ、金本監督待望の「変革」
昨季は極度の不振に陥っていた阪神タイガースの鳥谷敬内野手が、8日現在で打率.311と絶好調だ。本来のプレーを取り戻し、再び主将となることが待ち望まれている。
2017/05/09
福留が一時的にキャプテン
阪神タイガース・鳥谷敬内野手が絶好調だ。5月7日の広島東洋カープ戦(甲子園)では3打数2安打5打点の活躍でチーム5連勝に大きく貢献した。その最近5試合でも5戦連続安打、18打数9安打で打率5割。とにかく打ちまくっている。今季の通算打率も3割1分1厘にまで引き上げており、首位・タイガースで今一番頼りになる打者と言っても決して過言ではない。
昨季は不振に苦しんだ虎の背番号1。攻守に精彩を欠いて6月には自己ワーストの28打数無安打を記録し、守備でも致命的なミスが目立った。昨年7月24日の広島戦(マツダ)では連続フルイニング出場も667試合でストップ。正遊撃手の座も失ってしまった。
しかし今季は完全復調に向け、波に乗りつつある。昨季と違って一体、何が変わったのか。よく指摘されているのが、それまでの重責から開放された点だ。鳥谷は野手やチームキャプテンを5年間に渡って任されていたが、今季から新主将にチーム最年長の福留孝介外野手が任命された。
しかし、その座はあくまでも福留が一時的に「預かった」という形。来季からは再び鳥谷にバトンを返し、主将に復帰することを望んでいる。鳥谷にはグラウンドだけに集中できるような環境で本来のプレーをまた取り戻してほしい。そして今季復活を遂げた暁にはこれまで同様、チームのためにキャプテンシーを発揮してもらいたい――。新主将・福留はチーム全体の総意として、そういう強い願望を持ち続けている。身軽になった鳥谷は周囲の配慮に感謝しつつ、何とか期待に応えようともう一度原点に立ち返るべく必死になって自分を追い込んでいる。それが好結果に結びついているのだろう。
遊撃から三塁にコンバートされたことも大きい。昨季終盤で失った正遊撃手の座を奪い返そうと、春季キャンプでは若手の北條史也と激しいポジション争いを繰り広げたものの結果として敗れてしまった。代わって開幕からは三塁が定位置となったが、チーム内では「遊撃よりも守備の負担が軽減したこともあって、打撃により目を向けやすくなった」ともっぱらだ。