阪神・鳥谷敬が昨季から一転し絶好調のワケ。12年ぶりVへ、金本監督待望の「変革」
昨季は極度の不振に陥っていた阪神タイガースの鳥谷敬内野手が、8日現在で打率.311と絶好調だ。本来のプレーを取り戻し、再び主将となることが待ち望まれている。
2017/05/09
金本監督は鳥谷に期待大
この鳥谷復調を誰よりも待ち望んでいた人物こそ金本知憲監督だ。福留の新主将就任、そして鳥谷の三塁コンバートは思えばいずれも指揮官が断を下したプランだった。
就任当初から「鳥谷の変革がなければ、チームも変わらない」とぶち上げ、本人の尻を叩き続けてきた。だが、そんな指揮官の意気込みとは裏腹に金本監督の就任1年目の鳥谷はかつてない大スランプにさいなまれ、どん底にまで落ちた。
「鳥谷と金本監督は水と油の関係。闘争心をむき出しにする指揮官と、闘志を内に秘めるタイプのトリ(鳥谷)では性格的に合うはずがない。監督がワーワー言えば言うほど、本人はやる気をなくす」
そういう声を複数の筋から聞いたことがある。信ぴょう性は正直言って分からないが、確かに鳥谷と金本監督が違うタイプの人間であることは取材を重ねていて感じるところもある。それでも金本監督が鳥谷の存在を「買っている」ことは疑いようのない事実だ。
連続フルイニング出場は途切れたとはいえ、連続試合出場数は今年4月19日の対中日戦(ナゴヤドーム)で1767試合に到達。自らが現役時代に達成した1766試合連続出場記録を上回った“鉄人ぶり”も金本監督は誰よりも高く評価している。黙々とポーカーフェイスを貫きながらも物凄いプレーを連発させることで、若虎たちを背中で引っ張ってくれ――。指揮官は鳥谷にそう願っているに違いない。
仮に自分とはまったく違う「水と油」であったとしても金本監督は鳥谷の覚醒を待ち望み、ここまでさまざまな再生プランを施してきた。それが今、ようやく鳥谷本人の心に響き渡ってうまく融合してきたのだろう。
金本監督の思惑通りに猛虎のキーパーソン・鳥谷が今季で完全復調を遂げれば、阪神の12年ぶりとなるリーグVもグンと近づきそうだ。