ベンチからのサインは無視してもOKなのか?【里崎智也の捕手異論】
千葉ロッテマリーンズで16年プレーした里崎智也氏。現在は解説者・評論家として、野球界の“常識”に異を唱え続けている。このほど自著「捕手異論 一流と二流をわける、プロの野球『眼』」を発表した里崎氏が、野球界の発展を願い、あえて厳しい提言を送る。
2017/05/29
ベンチの指示に従って打たれてもその責任は…
――試合中、配球のサインはすべてバッテリー間で決められていましたか? それともベンチから指示が?
「(ベンチからサインが)出るチームもあったんじゃないですか」
――そういうとき、里崎さんはどうされるんですか?
「時にはシカトです。それは、“自分の考えが絶対いける”という時だけです。全てシカトしていたら、もちろん問題が大きくなるので、バランスとタイミングが重要です」
――えっ! 無視するケースもあるんですね。
「こっちにもプランがあるんですよ。なので、やるなら全球指示を出してほしい。都合のいいときだけ言わないでほしいですね。プランがある中で、途中でベンチの指示に従って打たれても、やっぱりバッテリーの責任になってしまうので。
極論を言えば、どっちでもいいんですよ。抑えられるなら。150球すべてベンチが指示を出して、ノーヒットノーラン。誰が文句言えますか?」
――たしかに、何も言えないですね。
「僕たちはプロ。結果を出す人が一番正しい。ベンチの指示を『そんな言うこと聞けるか』となってもノーヒットノーランなら、それがすべて。
一般企業でもそうじゃないですか。上司から指示が出て、それに従うか、あるいは『ゴチャゴチャ言うな』と突っぱねるか。指示通りにやってミリオンヒット、勝手にやってミリオンヒット。どっちも正しい。すべては結果次第ですから」