今年も交流戦開幕! 注目は88年世代のフルスイングvs剛速球【交流戦第1節】
今年も「日本生命 セ・パ交流戦」が開幕する。これまでの12年間の戦績はパ・リーグが大きく勝ち越している。今季もパ・リーグ優勢がささやかれているが、勝負は始まってみないと分からない。交流戦期間中はこれまでと異なり“対決”をテーマに、見どころを紹介していきたい。
2017/05/30
F斎藤vsDe梶谷の88年対決に注目
交流戦がシーズンと異なる空気を放つのは、いつもは見られない勝負が実現するところだろう。チーム同士の戦いはもちろんのこと、個人の対決も興味を引く。レギュラーシーズンだと対戦することが当たり前になってきていて、過去の背景などがフィーチャーされにくい。しかし、交流戦だと勝手が違う。
「今宮選手とは高校時代から対戦していて、今も対戦していますが、特別な意識はしないです。何回もあたっていますからね。でも、同じ年の筒香は普段はあまり対戦することがないので、当たる時は楽しみです」
埼玉西武ライオンズのエース・菊池雄星の言葉だ。
果たして、今節の対戦カードにはどんな見どころが詰まっているだろうか。
第1節のカードは次のとおりだ。
楽天 ― 巨人(Koboパーク)
西武 ― 広島(メットライフD)
ソフトバンク ― 中日(ヤフオクD)
日本ハム ― DeNA(札幌D)
オリックス ― ヤクルト(京セラD)
ロッテ ― 阪神(ZOZOマリンスタジアム)
まず、楽しみな対決が北の大地・札幌で行われる、北海道日本ハムファイターズvs横浜DeNAベイスターズだ。
このカードには見どころが多い。
一つ目が中田翔vs筒香嘉智による“侍JAPAN 主砲対決”だ。
ともにチームで4番を打つ二人は、今年のWBCもさることながら、ここ数年の侍JAPANで主軸を担ってきた。両者とも打順にこだわりがあったわけではないが、同じホームランアーチストとして互いに一目を置いてきた。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では筒香が4番を打ち、25打数8安打3本塁打8打点、筒香の後を打った中田は21打数5安打3本塁打8打点をマーク。ベスト4に大きく貢献した。
今季の2人とも、本調子とまではいかないが両チームの主砲として、どちらが存在感を示すかは注目だ。個人の結果だけでなく、それぞれがチームにとってどれだけの影響力を及ぼすのか。“主砲の存在感”が見どころになる。
また、日本ハムの第2戦先発は斎藤佑樹とのことだ。
早実高のころから「ハンカチ王子」として人気を博した斎藤は、かつてほどではないものの、豊作世代と言われた88年生まれの代表格といっていい。田中将大、前田健太、坂本勇人らと同学年だ。
その斎藤と“同世代対決”をするのが、DeNAの2番・梶谷隆幸だ。
この二人は高校時代から対戦はないが、実は第88回全国高校野球選手権大会にともに出場している。周知のように、斎藤佑樹が全国制覇を果たしたその大会に、開星の1番打者として梶谷も出場していた。
梶谷の開星は1回戦で、日大山形に敗退。試合には敗れたものの、二塁打をマーク。当時は守備の印象が強かったのを筆者も覚えているが、プロに入って打撃が開眼した。
今、二人のチーム内における立場は逆転しているが、どのような対戦になるか。
またこのカードで第3戦に日本ハム・中村勝が先発すれば、ここでも面白い対決になる。DeNAの主砲・筒香嘉智との91年生まれ対決だ。ともに、09年のドラフト1位指名で入団した選手だ。高校時代は“埼玉のダルビッシュ”といわれた中村と筒香の対決は見ものだ。
中村は前回登板で400日ぶりに1軍復帰登板を果たしたばかり。球界のトップとして君臨する筒香を抑えることができれば、完全復活ののろしを上げることができるはずだ。