大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



巨人が球団初の12連敗、「紳士たれ」は若手成長の弊害?【小宮山悟の眼】

巨人が83年の歴史に不名誉な記録を刻んだ。7日は西武に完封負けし、球団史上初の12連敗。エース登板、打線変更、新戦力投入――。采配はことごとく裏目に出て、深みにはまる球界の盟主。長いトンネルの出口はどこにあるのか。

2017/06/08

text By



10戦で5勝のイメージ

 巨人には伝統や歴史があり、ファンも多い。そのため、一つの負けも許されない雰囲気がある。どの試合でも全力を尽くし、常に勝つことを求められている。しかし、そもそも全戦全勝しようというのが間違いなのだ。
 
 私がロッテでプレーしていたとき、当時のボビー・バレンタイン監督が選手たちに言っていた言葉を思い出す。
「10戦したとしたら5勝5敗のイーブンでいい」。イーブンペースを守ろうとすれば、ちょっとしたことで一つ多く勝てて6勝4敗になる。つまり貯金ができる。7勝3敗を目指しちゃうとダメになるが、イーブンペースでいいという気持ちで戦っていくと貯金ができていくのだと。
 
 1球団あたりの年間試合数は143試合。10試合のうち5勝5敗ペースを6勝4敗にできるサイクルが6、7回あった場合、貯金が12~14できる。そう考えると間違いなくAクラスに入れる。
 
 もちろん、巨人軍にのしかかるプレッシャーは重く、このイーブンペースの考え方は許されないかもしれない。ただ、ボビーが言っていたようなマインドになることもテーマの一つとしてもいいと思う。
 
 いまさら、テクニカルな面が劇的に良くなることはない。誰しも完璧な戦いを目指したくなるが、それをできる選手ならやればいい。しかし、できない選手がやろうとしてはだめだ。
 
 現在の巨人は12回も続けて負けたから、これからの10試合は全て勝たなきゃいけないという空気感になっているだろう。10連勝するのはそう簡単ではない。まずは5勝5敗から始めるのが大事だ。

1 2 3


error: Content is protected !!