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巨人が球団初の12連敗、「紳士たれ」は若手成長の弊害?【小宮山悟の眼】

巨人が83年の歴史に不名誉な記録を刻んだ。7日は西武に完封負けし、球団史上初の12連敗。エース登板、打線変更、新戦力投入――。采配はことごとく裏目に出て、深みにはまる球界の盟主。長いトンネルの出口はどこにあるのか。

2017/06/08

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我慢の選手起用は評価すべき

 もう一つ気になるのは、高橋由伸監督の采配に対する外からの声だ。
 先日、阿部と亀井を温存して負けた試合があり、現有戦力を使いこなせない高橋監督の手腕に批判が及んだ。しかし、その時の高橋監督が「いまは使うよりも彼らを休ませた方がいい」と選択したのなら問題ないだろう。負け方が気に入らないからと結果だけで論じるのは決して前向きな話ではない。監督の考え方でシーズンを通して戦うのだから、終盤までをどうイメージしているかが重要だ。
 
 高橋監督は、選手を信用して我慢して使っていこうとしているようにみえる。監督の信頼に選手が応えられていないのが今の状況。高橋監督がすごいのはそれでも我慢し続けていることだ。
 
 おそらく、高橋監督は「選手がやらなきゃダメだ」というのを分かっているのだろう。選手が頑張ってくれないことには勝てない、と誰よりも選手の力量を信じている。
 
 その点は、指揮官として評価されるべき部分だ。
 高橋監督と周囲の根比べになるだろうが、そもそも能力の高い選手が集まっているチームだ。彼らの力さえ発揮できれば、まだまだ巻き返すチャンスはある。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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