誤審は本当に増えてる? 映像技術とSNSの発達で“総審判時代”【里崎智也の捕手異論】
2017/06/22
ひいきは気のせい。判定には寛容に
──巷では、しばしば露骨に巨人を“ひいき”する審判が存在するなどとも言われていますが。
いやいや(笑)。それはさっきも言ったように、単純に「不利益を被った」と感じる人の絶対数が多いからですよ。もし仮に巨人ファンの人が「ぶっちゃけ、ウチに甘い判定してくれる審判多いよな」って言ってるなら、実在するのかもしれないけど、そんなことはおそらくない。彼らのほうも“非巨人ファン”と同じくらい「あの判定はおかしかった」っていう場面を経験しているはずですよ。
──里崎さんからすれば、改善の余地はあっても、そこまで目くじらを立てるほどのことではないと。
一昨年の阪神対広島の一戦(15年9月12日/甲子園)で起きた、CS(クライマックスシリーズ)争いにまで影響を及ぼすような“誤審”は、昔のような線審を置くなりして、なくす努力をしていく必要はあると思います。でも、勝ち負けを決めるために戦っている以上、全員が幸せになるなんてことは100%ありえない。自分たちに有益な場面も少なくないのだから、そこはもうちょっと寛容であっても罰は当たらないような気はします。
(取材・文:『週刊実話』)
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里崎智也
1976年5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮高)、帝京大学を経て98年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズを逆指名して、入団。03年に78試合ながら打率3割をマークし、レギュラー定着の足がかりをつくる。05年は橋本将との併用ながらも、日本一に貢献。06年にはWBC日本代表として世界一にも輝いた。持ち前の勝負強さで数々の名シーンを演出。00年代の千葉ロッテを牽引した〝歌って、踊って、打ちまくる〟エンターテイナーとしてファンからも熱烈に支持された。14年限りで現役引退。現在はプロ野球解説者・評論家を務める。