不調の侍戦士、「WBC疲れ」は無関係。言い訳せずに後半戦で巻き返しを【里崎智也の捕手異論】
先日のDeNA戦でようやく今季初勝利を挙げた千葉ロッテ・石川歩や、打率2割台前半と低迷するヤクルト・山田哲人をはじめ、WBCで活躍しながら調子の上がってこない“侍戦士”は数多い。まことしやかにささやかれる「WBC疲れ」を、代表経験者の里崎智也氏が斬る!!(『週刊実話』17年6月1日号より抜粋して掲載。本記事は5月上旬の取材をもとに構成されています)
2017/06/24
“侍戦士”の不調はWBCとは無関係
──WBCが開催された今季は、開幕直後から不振だった筒香嘉智(DeNA)や山田哲人(ヤクルト)といった“侍戦士”たちの“後遺症”を指摘する声もありますよね。
「調整期間をもっと空けるべきだった」とか言ってる人には、逆に「どれだけ空けたら、全員活躍するようになるんや?」って聞きたいですよね。WBCがあろうがなかろうが、前年のタイトルホルダーが開幕から十何打席ノーヒットなんて話はしょっちゅう聞く話ですし、ピッチャーが何試合も“勝ちに見放される”のもよくあること。現にきっちり結果を出している選手もいるわけだから、そんなものは結局、選手本人の問題でしかないんです。そもそも、僕らがキューバを倒して世界一になった06年の第1回なんて、帰国から開幕までたった3日しかなかったですしね(笑)。
──さすが経験者。それは説得力があります(笑)。
中田(翔/日本ハム)とか武田(翔太/ソフトバンク)とか、僕らのときだったら石井弘寿(現・ヤクルト2軍コーチ)とか、大会期間中に怪我をしたような選手であれば、間違いなく“後遺症”はあるでしょうけど、それ以外はほぼ間違いなく無関係。だいたい、扱いにくい球から、慣れ親しんだ球に戻って、不調を起こす人なんていないんです。サラリーマンに置きかえても、借りもののPCから1ヵ月ぶりに自分の愛機に戻って、「仕事しづらいわー」なんて言ってる人はきっといないと思うんで(笑)。