交流戦、試合巧者は中日とオリックスだった!?得失点差からみる勝率の期待値
2017/06/21
今季も交流戦が終了し、福岡ソフトバンクホークスが3年連続で最高勝率を飾った。
セ・リーグ51勝、パ・リーグ56勝と8年連続でパの勝ち越しとなったが、今季の交流戦は拮抗した戦いとなり、終盤まで上位チームに数球団に最高勝率の可能性が残っていた。
そこで、今回の交流戦をセイバーメトリクスの指標「ピタゴラス勝率」で振り返りたい。この指標では得失点差から勝率の期待値を求めることができる。算出式は「得点の2乗÷(得点の2乗+総失点の2乗)」となっている。
この指標で算出された期待値よりも高い勝率を出したチームは得失点をうまく白星に繋げられていることになり、監督の手腕や勝負強さが優れていたといっても良い。
参考例として、2001年にチーム防御率4.98で総失点745ながらも「いてまえ打線」の破壊力で770得点を稼ぎリーグ優勝を果たした近鉄バファローズの期待値は.516となっており、本来の勝率である.565より5分近く下回っている。そのため、梨田監督の手腕が存分に発揮されたといって差し支えないだろう。
また、和田豊・前監督の率いた2015年の阪神タイガースは、得失点差が-85で期待値は.417だったが、実際の勝率は.496で最終成績を3位としポストシーズン進出を果たした。期待値通りであれば、同年最下位のDeNA(勝率.437)を下回る順位となっていてもおかしくなかったため、和田監督や選手の勝負強さが際立っていたと言っても良いだろう。
そして、今年の交流戦では中日とオリックスがこの指標で算出された期待値よりも高い勝率を記録した。森繁和監督、福良淳一監督の手腕が優れていたといっても差し支えないだろう。一方で、数値上ではソフトバンク・西武の2球団はもう少し戦績を伸ばすこともできた可能性も残る。
この期待値は簡単に計算できるので、気になるチームの成績を算出してみても面白いだろう。
以下、12球団の交流戦成績とピタゴラス勝率で算出された期待値の一覧となる。
ソフトバンク 12勝6敗 勝率.667 得点86 失点51 得失点差 35 .期待値770
広島 12勝6敗 勝率.667 得点91 失点59 得失点差 32 期待値.704
西武 10勝7敗1分 勝率.588 得点85 失点62 得失点差 23 期待値.653
阪神 10勝8敗 勝率.556 得点74 失点63 得失点差 11 期待値.580
楽天 10勝8敗 勝率.556 得点81 失点71 得失点差 10 期待値.593
オリックス 10勝8敗 勝率.556 得点71 失点80 得失点差 -9 期待値.440
DeNA 9勝9敗 勝率.500 得点82 失点79 得失点差 3 期待値.518
中日 9勝9敗 勝率.500 得点64 失点76 得失点差 -12 期待値.415
日本ハム 8勝10敗 勝率.444 得点66 失点71 得失点差 -5 期待値.463
巨人 6勝12敗 勝率.333 得点63 失点82 得失点差 -19 期待値.371
ロッテ 6勝12敗 勝率.333 得点70 失点96 得失点差 -26 期待値.347
ヤクルト 5勝12敗1分 勝率.294 得点57 失点100得失点差 -43 期待値.245