巨人低迷は「世代交代の失敗」にあらず? サイクルの終わりは始まりへの準備期間【死亡遊戯コラム】
5月25日から13連敗し、交流戦は10位、セ・リーグでは4位(6月22日時点)に位置している読売ジャイアンツは、高橋由伸率いる巨人になってもまだ、阿部慎之助内野手や山口鉄也投手らに頼り、原巨人から脱却できずにいる。よく「世代交代の失敗」という言葉を耳にするが、今年は「新たなサイクルを始める準備期間」という考え方に変えていくべきなのかもしれない。
2017/06/23
次のサイクルを始める準備期間
股関節手術からの復帰を目指す杉内はここ2シーズン1軍登板は0で、昨季まで9年連続60試合登板を続けていた山口は勤続疲労もあり2軍降格後はイースタンでの登板もない。
誰だって歳は取る。強い巨人をど真ん中で支えていた男たちは、もう1軍にはいない。
大型連敗をしている最中、その原因としてよく「世代交代の失敗」という言葉を聞いた。
確かにそれは一理あると思う。
でも、別の角度から見たら阿部や内海や山口鉄といった面々と、世代交代できるような若手選手がそうそう出てくるわけもない。
言ってしまえば、一流のタイトルホルダーたちとスムーズな世代交代などできるわけがないのだ。
リーグV3を達成した頃の巨人の強さは、いわば彼らに依存していた。
その彼らが年齢とともに同時期に衰えた。で、チーム力も必然的に低下した。
真実はシンプルだ。一言で言えば、「巨人はチームとしてひとつのサイクルが終わった」のである。
つまり2017年の由伸巨人は、次のサイクルを始めようとしている準備期間というわけだ。
もちろんプロなんだから、やるからには優勝を目指す。
首位と離れたら、なんとかAクラス入りを狙おうとするのは当然だ。
現在29勝36敗のリーグ4位。3位DeNAとは2.5ゲーム差。
オフにはスカウト体制を刷新し、先日はGMも代わった。誰もが薄々このままじゃいけないと気づいている。
今季残り78試合。由伸監督は「2012年の五冠メンバー」に頼らなくても戦えるチームの土台作りをどこまで推し進めることができるだろうか?