NPB長身選手ベスト10に新助っ人4人 歴代ランキングから見る、長身選手の実績【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、長身選手についてだ。
2015/02/13
長身選手がNPBに増えてきた
今年のNPBの各選手のパーソナルデータを見ていると、長身選手が多い点に気が付く。今季のNPB長身選手ベスト10を見てみよう。
10位タイまでの11人の中に、新加入の外国人選手が4人もいる。
大部分が投手だ。手が長く、角度のある球が投げられる長身投手はやはり有利、と考えているのだろうか。
1月末時点のNPB選手の中で、190cmを超える選手は実に38人となった。NPBの選手が約800人だから5%弱に相当する。
古い話で恐縮だが、1960年代に王貞治が一塁を、長嶋茂雄が三塁を守る巨人は「大型内野陣」と評された。王は177cm、長嶋は178cm。今なら大型どころか、小兵の部類に入るだろう。
昭和の時代と今では野球は大きく変わったが、その最たるものは「大型化」だと言ってもいいかもしれない。
NPBの歴代長身選手ランキングを見てみよう。すべて外国人選手になるため、日本人選手だけのランキングもあわせて紹介する。
日本人選手で2mを超えたのは後に偉大なプロレスラー、ジャイアント馬場となる馬場正平だけ。
身長2m以上の選手は26人いるが馬場正平を除き、すべて外国人だ。日本人と外国人の体格差は非常に大きいことがわかる。
馬場は1955年に巨人に入団した時は192cmだった。最終年となる1959年には200cm、入団後も身長は伸び続けたのだ。
なお日本人10傑のランキングに現役選手が5人、最近の野球選手の大型化はここにもはっきり表れている。
では、長身選手は活躍したのだろうか。歴代長身10傑選手の通算成績を見ていこう。まずは外国人からだ。
ルーク・ファンミルは昨年、入団テストを受けて育成選手として楽天に入団。MLBの最長身選手はジョン・ラウシュの211cmだから、日米通じての最長身選手だった。しかし一軍では7試合8.2回を投げただけで自由契約になった。
エリック・ヒルマンは1995年にロッテに入団。先発投手として2年連続で二けた勝利と実績を残したが、3年目は巨人で0勝1敗。「肩に小錦が乗っているようだ」という迷言を残して退団した。
ジェイソン・ターマンは2002年に横浜に入団。制球が定まらず、9試合を投げただけで解雇された。
以下ヤクルトの先発として活躍したテリー・ブロス、広島のクローザーで今季から楽天に移籍するキャム・ミコライオ、中日で先発、救援で活躍したマキシモ・ネルソン、広島、ロッテで先発として活躍したネイサン・ミンチーと、一定の成績を残した選手が続く。