森本稀哲氏に聞く「今見るべき選手」。新天地で躍動する日ハム・大田の真のポテンシャルとは?
プロ野球界に数々の歴史を創り、2015年シーズン終了後に現役生活にピリオドを打った森本稀哲氏。現在は解説者という立場になり、どんなプレーを面白いと思うようになったのか。また、現役時代に在籍していた、北海道日本ハムファイターズ、横浜DeNAベイスターズ、埼玉西武ライオンズの3球団それぞれで、活躍を期待している選手はいるのかを聞いてみた。
2017/06/29
工藤明日香
バッターは腰が引けたら“負け”
――現役を引退されてから約2年経ちましたが、現在は解説をされていて、どんなプレーが面白いと感じていますか?また、具体的な選手がいらっしゃれば教えてください。
森本:今パっと思いつくのは、躍動感あるプレーでファンを魅了する柳田悠岐選手と秋山翔吾選手かな。この二人からは「絶対に守るんだ!」という気持ちが伝わってきますよね。
柳田選手のすごいところは、実績があるにも関わらず、どれだけ点差が離れようと必死に守ろうとする。そういった姿は見ていて気持ちがいいし、応援したくなりますよね。いろんな選手に見習ってほしいなぁ。西武の秋山選手は、一緒にプレーしていた時から見ても、本当に成長している。チームを引っ張る必要不可欠な存在ですよね。
――他にも期待したい、復活してほしいと思う選手はいらっしゃりますか?
ベテランにも関わらず代走で出場している松井稼頭央選手! 活躍する姿を一日でも長く見ていたいですね。あとは、やっぱり松坂大輔投手ですかね。松坂投手、杉内投手ら松坂世代の現役選手みんなに頑張って、もうひと花咲かせてほしいと思います。
僕くらいの年齢になると、ケガで野球ができないことに一番悔いが残るんですよ。僕もそうでしたけど、万全の状態で数字が残せずに野球界を去る、という方法だとちゃんと諦めがつく。ケガがなければ続けられた、そういった悔いは絶対に残してほしくない。最後は身体の強さしかないので、ベテランの皆さんにはケガをしないように頑張ってほしいですよね。
――ケガといえば、3年連続死球で骨折してファームに、ということがあったかと思います。
森本:そうですね、悔しかったです。死球は逃げたらケガをしなかったかもしれない。だけど、そこで踏み込めるのが僕の強さだと思っていましたし、逃げない姿勢を見せることができたんじゃないかなと思っています。
――そういうところからもメンタルを強くすることができる。
森本:うーん、捉え方次第かなあ。何が正解かわかんないですけど、僕のプレースタイルで言うと、逃げずに踏み込むとか。だって嫌じゃないですか。僕の中ではインコースから逃げて、腰が引けている打席を見せることがすごく嫌だったので、その部分はかなり意識していました。バッターは腰が引けたら負け、これに尽きます。