涙でかすんだ最終打席の1球目。森本稀哲氏が引退試合で感じた“チームメートの愛”
1998年のドラフト会議で日本ハムファイターズに4位指名され、プロ入りした森本稀哲氏。16年間の現役生活で印象に残っているできごと、試合やプレーについて聞いてみた。
2017/06/30
工藤明日香
現役時代の思い出
――現役時代で一番印象に残った試合やプレーはありますか?
森本:今思い出しても2006年の優勝と日本一になった瞬間は嬉しかった。あとは引退試合の最終打席ですかね。
――日本一になった瞬間は、どんな気持ちでしたか?
森本:初めてレギュラーを獲った年だったんですよ。それまではずっとベンチや寮で試合を見ていて、『いつかは自分もあの舞台で…』と、憧れていた瞬間に立ち会えた。それはもう何とも言い表せない想いがありました。
――優勝決定後はビールかけが行われますが、ビールを浴びると、それだけでも酔ってしまうものですか?
森本:もう本当にすごいですよ、あれは。目も痛いですし。でも、ビールをかけられるという喜びの方が圧倒的に大きいですよね。あれをやるために、と言ったら語弊があるけど、ビールかけをしたいからどの球団もキャンプから、自主トレからキャンプから準備するわけです。“勝利の美酒”は格別です(笑)
――ビールかけで一番思い出に残っていることはありますか?
森本:日本ハムは当時、ビールかけが初めてだったということもあり、常温でやること知らなくて、冷えたビールが並んでいたんですよ! もう本当にすごくキンキンに冷えていて、ものすごく寒かったのを今でも覚えてます(笑)
――日本シリーズだとその後に試合を控えてはいませんが、レギュラーシーズンでは翌日に試合が組まれている場合もあります。そういった試合は、かなりしんどいのではないですか?
森本:しんどいでしょうねえ。その翌日はだいたい若手選手を中心にオーダーが組まれているんですよ。でも若手選手は、ポストシーズンも1軍に残るために結果を残さなきゃいけないので、本当に大変な思いで出ていると思いますよ。