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涙でかすんだ最終打席の1球目。森本稀哲氏が引退試合で感じた“チームメートの愛”

1998年のドラフト会議で日本ハムファイターズに4位指名され、プロ入りした森本稀哲氏。16年間の現役生活で印象に残っているできごと、試合やプレーについて聞いてみた。

2017/06/30

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工藤明日香



助っ人選手たちの力は偉大

――メヒア選手もそうですが、森本さんは助っ人選手とよくコミュニケーションを取られている印象があります。コミュニケーションをとるようになったきっかけはありますか?
 
森本:2000年に当時日本ハムファイターズがニューヨーク・ヤンキースと提携していたので、1カ月半くらい秋のキャンプに毎年2人派遣されていたんですよ。で、2000年に僕も2年目で選んでいただき、正田樹と一緒に行ったんです。言葉が通じない、文化も違うなかにいると、なんか僕らのことを悪く言っているのかなって思えてきちゃって、言葉の壁がすごいストレスになっていたんです。
 
それ以降は、外国人選手も日本に来たらこういう感じなんだろうなと思うようになり、僕は外国人選手に率先して話をするようになったんですよね。僕が行っていた時も、外国人選手が何とか理解しようとしてくれたんです。それが本当に嬉しかったから、自分もそうしてあげなければいけないし、なんかストレスたまっている選手がいたら「チームメートは絶対悪口を言わない」ということを伝えていました。やっぱり外国人選手の力はすごく大事だと自分が感じてからは、コミュニケーションをとろうと思うようになりました。
 
――コミュニケーションを取ろうとせず、チームになじめないという選手も中にはいらっしゃると思うんですけど、そういう選手に何かアドバイスはありますか?
 
森本:いやいや、そういうプライドの高い選手にはあまり言うことはないです。ベースボール発祥の地・アメリカから来る、日本の野球をちょっと見下してくるような選手はみんなうまくいかずに帰っていくように感じます。
 
――以前森本さんは、メヒア選手に「1年目で成功したからといってそこで怠けるんじゃなくて2年目も気を抜かずにやる」と話したことがあるとおっしゃられていましたよね。
 
森本:メヒアには本当に頑張ってほしいと思っているし、やっぱり外国人選手の力は偉大なんですよ。だからこそチームに融合してもらいたい。そのための手段は選ばない、といった感じです。
 
 
森本稀哲(もりもと ひちょり)
 
高校野球の名門・帝京高校の主将として甲子園に出場。
1999年ドラフト4位で日本ハムファイターズに入団。
2006年には1番レフトとして活躍、チームを日本一に導く。
2011年横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)移籍。
2014年埼玉西武ライオンズへテスト入団。
現在は、経営コンサルティングを手掛ける『CKPLAT』に所属。
野球解説やタレントのほか、ビジネス関係の講演も行っている。

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