選出が難しい? 大瀬良、田中広、又吉、三上、ハイレベルなセリーグ新人王争い
今季のペナントレースも各球団残り20試合前後となった。両リーグ優勝の行方とともに気になるのが個人タイトル争いだ。本塁打王、最多勝など成績に関するタイトルも注目だが、今回はセ・リーグの新人王争いについて考えてみたい。
2014/09/18
広島・大瀬良大地が4月16日の阪神戦でプロ初勝利をあげた。その後もローテーションから外れることなく、23試合に登板し9勝6敗、防御率3.90の成績を残している。FAで巨人に移籍した大竹寛が昨年にあげた10勝の穴を見事に埋めたと言えるだろう。
終盤の勝負所だった9月6日のDeNA戦では10奪三振でプロ初完封勝利。広島の新人の完封勝利は97年の黒田博樹、澤崎俊和以来17年ぶりのことだった。また、1対0のいわゆる「スミ1」での完封はドラフト制後3人目、セ・リーグでは初の快記録でもあった。
広島勢では、JR東日本からドラフト3位で入団した田中広輔の活躍も光る。105試合に出場し打率.296、8本塁打。サードとショートで主に起用され、派手さはないものの確実なプレーでチームを支えている。規定打席には達していないが、出塁率と長打率を足したOPSは.786で、同じショートを守る坂本勇人(巨人)の.769を上回る。今季、広島が優勝争いに加わった理由として、大瀬良と田中の存在は欠かせない。
他球団の新人ではリリーフ投手が目立っている。JX-ENEOSからドラフト4位で横浜DeNAに入団した三上朋也は、57試合に登板し1勝3敗11ホールド、球団記録でもある19セーブをあげ、防御率は1.82。開幕直後は中継ぎでの登板が多かったが、5月6日の巨人戦でプロ初セーブをあげるとその後は抑えに定着。近年、とくにリリーフで苦労することが多かったDeNA投手陣の中心となっている。