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健在だった則本の奪三振力、マイコラスは圧倒的貢献度。岩瀬はセ4位、投手陣は異なる結果に【データで選出6月月間MVP】

6月度の日本生命月間MVPが発表され、野手は柳田悠岐(ソフトバンク)と丸佳浩(広島)が、投手は十亀剣(西武)と岩瀬仁紀(中日)が選手された。今月もデータに主眼を置いた別角度からの評価で、交流戦を中心に行われた6月、最も大きな貢献を果たしていたのがどの選手だったのかを検討してみたい。

2017/07/12

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セ・リーグは高い投球の質を見せた救援3投手がランクイン


 
 投手の評価には、奪三振、与四死球、被本塁打、ゴロかフライかライナーかといった打たれた打球の種別から算出する推定失点率tRA(true Run Average)、どれだけ多くの量を投げたかの投球回で、質と量の両面から貢献を計る。
 
 パ・リーグの投手は各球団主力先発のハイレベルな争い。1位は5月に続き則本昂大(楽天)となった。6月に投げた32イニングを平均的な投手が代わって担った場合に比べて、8.3点ほど失点を多く防いだと推定される。4勝0敗だった5月に比べると、6月は2勝1敗、防御率3.38と決して一般的な指標での数字が良いわけではない。しかし20%弱が平均の値となるK%(奪三振/打者)が31.5%と、5月に続き高い奪三振能力は健在であった。
 
 則本に続く、美馬学(楽天)、山岡泰輔(オリックス)、岸孝之(楽天)は則本と比べると奪三振の面で劣るものの、被本塁打を少なく抑えることに成功した。図内のHR/9は、被本塁打を9イニングあたりの本数に換算した数値で、則本の0.84本に比べ、他投手は低く抑えられていることがわかる。
 
 石川歩(ロッテ)は上記の投手より1試合登板が少ないにもかかわらず、5位にランクイン。6月は3試合22イニングを投げ1つの四球も出さなかった。平均的な投手に比べ、5.6点ほど失点を少なく抑えたと推定される。月間MVPに輝いた十亀剣(西武)は4試合で3勝をあげたものの、平均的な投手が同じイニングを担った場合と比べると抑止した失点の差は2.4点に過ぎず、パ・リーグの投手では11位の数字となっている。
 
 僅差の争いとなったパ・リーグとはうってかわって、セ・リーグではマイルズ・マイコラス(巨人)が飛び抜けた貢献を示している。4試合28 2/3イニングを投げ、平均との抑止した失点の差は7.5点。30.4%のK%に、BB%(与四球/打者)は2.7%。打球に占めるゴロの割合を表すGB%(ゴロ率)も平均の50%弱を大きく上回る61.4%、被本塁打も0とあらゆる面でハイレベルな数字を残した。
 
 2位以下は薮田和樹(広島)を除き、救援投手3人がランクインしている。救援投手は量の貢献でどうしても先発投手に劣るため、この評価では不利な一面があるが、6月のセ・リーグは多くの先発投手が傑出した数字を残せなかったこともあり、質の高い投球を見せた救援投手が上位に入った。
 
 2位の一岡竜司(広島)は7 2/3イニングを投げ、打席の半数近い46.2%を三振にとり、四球も0。おおよそ完璧に近い投球内容だった。5位の高橋聡文(阪神)も一岡ほどではないものの、K%は38.9%。量が不足する分、高い投球の質でカバーした。
 
 日本生命月間MVPを受賞した岩瀬仁紀(中日)は、平均的な投手と比べ3.3点多く失点を防ぎ4位となっている。28.2%と高いK%に加え、11 2/3イニングと救援の中では量をこなすことにも成功したのがランクインの要因となった。岩瀬は6月を失点0で終えたが、投球内容の面から見ても素晴らしい内容だったようだ。

 
 
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