カープV奪回に不可欠な”強いサード” 新井、梵、小窪、堂林……ベテランと次世代の激しい定位置争い
黒田の復帰も追い風となり、2015年の広島は優勝候補にあがっている。そんな中、定位置争いの激戦区がサードだ。強いカープには、サードにチームをけん引する中心選手が存在した。キャンプから、ベテランと次世代の選手がレギュラーの座を懸けて必死にアピールを続けている。
2015/02/21
背番号7の台頭に、ファンは期待
しかし、ファンが待ちわびるのは、堂林翔太の存在ではかなろうか。2012年に全試合出場し14本塁打、一気に新時代のスター誕生かと沸き立ったが、プロ野球の世界は厳しかった。ここ2年は、出場試合数もやや減少傾向(去年は93試合)である。
魅力は、右方向への大きな打球である。しかし、ここ2年、彼のベクトルは「三振を減らすこと」に向かっていた。
「短所をなくそうとして、三振のことばかりを考えて、小さくなっていました。それより、今年は長所を伸ばしていきたいと考えるようにしました。そうすれば、短所も消えていくと思います」
このキャンプ、堂林の意識は「右方向の長打」である。そのためには、バットをスムーズに出すこと。右方向を意識することで、ボールを長くみられるメリットもある。
そのための土台も作ってきた。
オフから下半身を鍛え、太もも周りは60cmを超えた。お尻も大きくなった。目指してきたのは、「しっかり動ける、反応できる体」である。
オフには、栄養についても学ぶなど、その向上心はとどまることを知らない。「置かれている状況はわかっています。でも小さくならずにやりたい」。背番号7は、ひたすら前だけを見据えている。
さあ、沖縄キャンプが始まった。新井は紅白戦で本塁打を放つなど元気そのものだ。20歳の美間優槻も一軍帯同を続ける。この「うれしい混沌」の向こうにカープの悲願が待っていることは間違いない。