「困ったときの谷元」、9年目初のオールスターで証明した存在価値【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#55】
「トラックマン」を活用した中継で物議をかもしたオールスター第1戦。しかし、ファイターズファンにとっては、谷元圭介の投球が何より感動的だった。
2017/07/16
「トラックマン」談議で唯一成功した谷元の投球
で、テレ朝だけど、僕がお茶の間スタンディングオベーションしてるのに「実況席にジャイアンツの菅野智之投手が来てくださいました」という趣向になってしまった。で、延々菅野投手のトークタイムである。まぁ、それがオールスターってものだろうし、菅野投手のコメントを楽しみにしてるファンが大勢いるのはわかるんだけど、ちょっと僕はいなされた感じで号泣しそこなった。だけど、谷元は楽しそうだったな。実況席は菅野投手にかかりきりであんまり扱ってもらえないんだけど、画面の谷元は（緊張した表情ながら）目をキラキラさせていた。
ようやく実況席が谷元に注意を向けてくれたのは先頭打者の梅野隆太郎（阪神）をセカンドフライに打ち取り、2人目の菊池涼介（広島）を迎えた途中からだった。谷元本人の「実は地味に多いボールの回転数」というアピールポイントが紹介され、また「トラックマン」談義である。ただこの日、冗長だった「トラックマン」談義で唯一成功したのは谷元のピッチング紹介だった。回転数が2600を超え、つまりものすごくスピンをかけているのだ。167センチの上背で、沈んだ位置からスピン量の多いフォーシームを投じる。キレが抜群だ。ストレートが手元で浮き上がる感覚だから、この日は梅野がセカンドフライ、菊池がサードフライだった（3人目の中日・大島洋平はカーブを打ってレフトフライ）。ハムファン的にいう「ワンツースリー」（三者凡退）だ。再び僕はお茶の間ステンディングオベーション！
たぶん世間的な注目は大谷翔平の出場だったろう。北海道のファンも初出場・西川遥輝のド迫力2ラン（完全にホームラン狙いのスイングで5階席の壁に打ち込む）や、7度目出場で初めて飛び出した中田翔の1号バックスクリーン弾（3ボールからDeNA・山崎康晃の真っすぐをしばく）のほうに目が向いていると思う。だけどね、谷元圭介のオールスター登板は勲章だよ。
マウンドから降りてきた谷元に拍手を送り、今度こそ号泣だと思ったら、画面がサクッと「テレ朝六本木祭り/ SUMMER STATION」告知に変わり、またいなされた感じになって泣きそこねた。だからここであらためて申し上げる。谷元選手、オールスター出場おめでとうございます（うおおおお！）。
追記 何と谷元は第2戦（ZOZOマリン）のクローザーとしても登板。驚きの連投だった。まさに「困ったときの谷元」！
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