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ベイスターズ・柳田殖生 2軍の帝王が、貴重な脇役へ

さまざまな役割を果たせる選手がベンチに控えているだけで、心強い。起用の選択肢が増えるからだ。DeNAベイスターズのユーティリティプレイヤーとしての地位を確固たるものにしようとしている選手が、柳田殖生である。

2015/02/25

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キャンプでは、捕手の練習も

 柳田のプロ野球人生は決して華やかなものではなかった。
 2005年、中日ドラゴンズから大学社会人ドラフト5巡目で指名され入団。しかしながら入団後の柳田は、2軍で首位打者のタイトルを獲得したとしても、1軍の二遊間には全盛期の荒木雅博と井端弘和という高い壁がそびえ立っており、チャンスは非常に限られたものになっていた。
 その限られた1軍昇格時には重圧がのし掛かるのか、チャンスをものにすることはできず、いつしかファンからは典型的な2軍の帝王と揶揄されることとなってしまっていた。
 そして2013年オフに中日ドラゴンズから戦力外通告を受けることとなる。
 
 そこに内野を複数ポジション守れる選手を探していたDeNAが柳田の獲得に名乗りを挙げた。DeNA入団後の柳田は開幕1軍を果たすものの、またもや厚い壁にぶつかることとなる。
 オープン戦は好調だったにも関わらず、開幕から14打席連続無安打と結果を残せず無念のファーム落ち。
 しかしファーム落ち後は、二軍で水を得た魚のごとく、打率.346本塁打2本OPS1.024と打ちまくり、調子を取り戻すとわずか14日で1軍復帰。
 復帰後はしばらく無安打が続いたが、5月29日ソフトバンク戦で中畑監督が最後のチャンスとばかりにスタメン起用すると、今までヒットが出なかったのが嘘のように、5打数4安打と大暴れ。
 
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 それからはファーストの守備固めを中心に、時折ショート・セカンド・サードのレギュラー勢に代わってスタメン出場に代打に代走にと、様々な役割で出場し大忙し。
 結局終わってみればプロ入り最多となる74試合に出場し、打撃でも打率.273、4本塁打、OPS.769とプロ入り後最高の成績を残したのであった。
 
 DeNA入団後は捕手の練習も開始し、昨年も公式戦で試合展開によっては捕手で出場する可能性もあったという。
 このキャンプでも捕手の練習をしていることが報じられ、内野全ポジションに加え、有事の際はマスクも被れる究極のユーティリティプレイヤーへと期待がかかる。
 
 シーズン143試合という長丁場。
 全員がエース、四番では戦い抜けない。
 時には主力の故障、不調などのアクシデントをカバーする脇役も必要だ。決して華やかなスターではないのかもしれない。
 しかし、まがうことないプロフェッショナルがベイスターズのベンチを支えるのである。
 
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