巨人、最強三本柱擁しなぜ借金5? あの頃の松井、由伸のように…待たれる新世代の長距離砲【死亡遊戯コラム】
少しずつ調子を取り戻し、3位・横浜DeNAベイスターズとのゲーム差を5まで縮めた読売ジャイアンツ。Aクラス入りが少しずつ見え始めてはいるが、今の巨人には若きホームランバッターの出現が必要だ。
2017/07/21
2017年、広島やDeNAと比較すると寂しい外野手陣
しかし、現在の主軸を張る坂本や長野はタイプ的に中距離バッターだし、FA補強の陽岱鋼にしても昨季は14本塁打である。そんな今の巨人を象徴するのが最近の外野手のラインナップだ。リーグ上位の広島やDeNAと比較してみよう。
巨人
長野久義 打率.276 9本塁打 21打点 OPS.776
陽 岱鋼 打率.290 3本塁打 11打点 OPS.838
中井大介 打率.234 4本塁打 13打点 OPS.627
広島
鈴木誠也 打率.304 17本塁打 66打点 OPS.919
丸 佳浩 打率.320 16本塁打 60打点 OPS.958
松山竜平 打率.317 6本塁打 33打点 OPS.859
DeNA
筒香嘉智 打率.275 13本塁打 52打点 OPS.869
梶谷隆幸 打率.258 12本塁打 41打点 OPS.760
桑原将志 打率.289 9本塁打 31打点 OPS.820
こうして見ると、やはり広島の外野陣の打撃成績が図抜けている。DeNAも全員20代とまだまだ伸び代があるフレッシュな顔触れだ。巨人は序盤に石川慎吾や立岡宗一郎を我慢強く起用したが、交流戦中に陽が戦列復帰するとセンターに定着。大田泰示も北海道日本ハムファイターズへ移籍し、長距離砲タイプの外野手は皆無と言ってもいい状況が、例えば賛否分かれる3年目の岡本和真のレフト起用へと繋がった。
そして、内野に目を向けると長年チームを支え続けた大黒柱の阿部も38歳。今季の打率.249、10本塁打、42打点、OPS.704は中軸として、打力が期待される一塁手としてはあまりに寂しい数字だ。あと21本に迫った2000安打達成後の起用法にも注目が集まる。
また勝負論とは別に、以前の巨人には「この試合には負けたけどゴジラ松井のホームランを見れたから良かった」「由伸の一発が見れるかもしれないから最後まで球場に残る」という、試合の勝敗を度外視した華のあるホームランバッターがいた。
いつの時代も、広島の鈴木、DeNAの筒香と若きスラッガーの出現はチームの雰囲気をがらりと変えることができる。
果たして巨人にとってそれが岡本か…、それともこれからドラフトで指名するまだ見ぬ誰かか…。
あの頃の松井や由伸のように、球場の雰囲気を一発で変えられる新世代の長距離砲の出現を待ちたい。