打倒、細川&鶴岡! 斐紹が挑む、厚き捕手のレギュラー争い
ホークスのキャッチャーは、細川、鶴岡ら実績のあるベテラン陣が揃う。しかし世代交代を考えると、この二人に割って入るような選手が台頭してくることが望ましい。10年にドラフト1位で入団した山下斐紹は、まさにその一人だ。
2015/02/27
『打てる捕手』の素質は十分にあり
また、打撃練習では藤井康雄打撃コーチが付きっきりで指導しているのが目についた。1軍で通用する打者になるべく、無駄な動きをそぎ落としていくのだという。
「よりシンプルなフォームにしているところ。また、下半身が使えるようになると200球、300球打ってもしんどくなくなる。今は1箱打つのもしんどいやろ?」
「はい、しんどいです!」
こんな会話を交わしながら、ホテルへ帰る最終バスの時間まで打ち込みが続いた。
シートノックは斐紹の「ガッチリいこー!!」の掛け声でスタート。スローイングにばらつきがあり何度もやり直す後輩に、先輩から愛ある叱咤激励の言葉が飛ぶ。悔しそうな顔が、また良い。
2月21日(土)に行われたオープン戦初日、スタメンマスクを被ったのは斐紹だった。工藤ホークスの初戦で、先発・東浜、継投した二保をリード。アピールの場に立つチャンスをもらった。ヒットこそ出なかったが、これを次に活かさなくてはならない。チームは1-0で勝利を飾った。
ホークスには現在、細川亨と鶴岡慎也のベテラン二人の捕手がチームを支えているが、やはり『打てる捕手』の出現にどうしても期待してしまう。
かつて、城島健司がそうであったように。その存在感は誰もが記憶している。投手の持ち味を引き出すリードはもちろん、ここぞという打席での一振りに魅了されたものだ。斐紹はその素質を十分に備えている。そう、期待してしまう。
「打撃ではフォームを固めてしっかり打って、スローイングはもっと安定させないと。先輩たちを追い抜かないとレギュラーにはなれませんからね。そういう気持ちは持ちながらやっています」
逞しい体つきに、やんちゃに笑う顔が印象的な選手。ぜひ、今季注目してもらいたい若鷹だ。