日米で異なる球宴の価値の重み。楽天・茂木の出場停止ルールはアンフェア【小宮山悟の眼】
MLBのオールスター(日本時間7月12日、マイアミ)を現地で取材した。本場のオールスターは日本とはまた趣が違って感動することも多く、今回はそんな日米のオールスターの違いについて話したい。
2017/07/26
オールスター出場は一生の肩書
実際に足を運んでみて感じたのは、オールスターの“価値の違い”だ。
MLBのオールスターは、年に1試合しか行わないというのも影響しているだろう。全30球団の中から選ばれるわけだから、メンバーに入るだけでもその価値は相当なものだ。「2017年オールスタープレイヤー」という肩書が選手たちに加わり、オールスターに出たという証は一生ついて回る。これは選手たちにとって喜びだろう。
特に感動したのは、ファンフェスタだ。オールスターの1週間前から開催しているようだが、球場とは別のコンベンションセンターという場所で様々なイベントが展開されていた。
オールスターのグッズをはじめ、30球団の帽子などが飾られていた。子どもが走塁や守備、ピッチングをする場所があり、往年のスターのトークショーもやっていた。ニグロリーグの殿堂のパネルもあって、本当にすごかった。
日本のオールスターはその日の試合と試合前に行う30分ほどのホームラン競争しかない。しかし、MLBはファンフェスタやホームランダービーがショーのようになっていて、試合前のアトラクションの傾向が強い日本との差は歴然だった。
マイアミの空港についた時はオールスターをやるという空気はほとんど感じなかったが、ファンフェスタの人だかりや盛り上がりには本当に驚いた。
本番の試合はお祭り感がなく、素晴らしいゲームだった。30球団あれだけの数の選手がいて、選ばれる。そのためプライドを持ってオールスターに臨んでいる印象だった。ボールが飛ぶ状況の中にあっても、投手陣たちは抑えにかかっていた。雑なゲームにならずに緊迫したゲームになって面白かった。