意外な選手もランクイン 攻撃面でチームへの貢献度が高い選手は誰?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、攻撃面でチームへの貢献度が高い選手は誰かを紹介したい。
2015/03/02
ベースボールチャンネル編集部
意外な選手もランクイン?
さてRCは、積み上げ方の数字であり、出場試合数が多いほうが、数字が上がる傾向にある。その選手の純粋な「生産性」を見るにはRC27という数字がある。
これはRCを試合数で割った数字にほぼ近いが、27個のアウトでその選手がどれだけ得点を生み出せるのか、つまり、その選手一人だけの打線とした場合、27打席で何点入るかを計算したものだ。8点を超えるとトップクラス。
打席数以上200以上の選手のRC27のランキングを見てみよう。パリーグからだ。
1位はRC同様糸井だが、2位にメヒアが割り込んでくる。2014年シーズン途中に西武に入って中村剛也とともに本塁打王を取った。打席は少なかったが、密度の濃い仕事をしたといえる。
4位に中村剛也。RC27は長距離打者が上位に来る傾向にある。
12位には67試合しか出なかったハフマンがいる。この選手は一旦戦力外になったが、1月になってロッテと再契約した。
違った野球の見方が楽しめる
次にセリーグを見てみよう。
昨年は故障でフル出場できなかったバレンティンが1位。一番怖い選手だと言っていいだろう。
3位にロサリオが入っている。昨年69試合しか出場機会はなかったが、貴重な働きをした。同じ広島で本塁打王になったエルドレッドは、15位。確かに本塁打は一番多かったが、総合的な数値から見れば「リーグ最強打者」とは言えなかったのだ。
巨人のアンダーソンは同じキューバのセぺダと併用されたが、RC27の数値は高い。
打率や本塁打、打点などの一般の記録とともに、RCやRC27を併用して見ていくと、派手な活躍の割に貢献度の低い選手や、地味だが貢献度の高い選手が見えてくる。野球の見え方が違ってくるのだ。セイバー・メトリクスの面白さはこういう部分にあると思う。
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