ソフトB・東浜、西武・菊池が今季10勝に到達。昨季から飛躍遂げ、高まるキャリアハイへの期待
2017/07/28
28日、福岡ソフトバンクホークスの東浜巨投手と埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手がハーラートップタイの今季10勝目に到達した。
東浜は楽天戦に登板し、首位攻防戦で岸孝之との対戦となったが、この日は打たせて取る投球で凡打を量産し、98球で7回1/3を1失点にまとめ、岸に投げ勝ち自身初の2桁勝利を手にした。
菊池はオリックス戦に登板し、10日の試合でプロ初完封をマークした山崎福也と対戦。菊池は無死満塁のピンチなどを招きつつも、気迫の投球で得点を許さず7回を118球で12奪三振、無失点。後続の救援陣もオリックス打線を無失点に抑え、菊池は2年連続となる2桁勝利をマークした。
東浜は2012年のドラフト1位で亜細亜大学からソフトバンクに入団。入団から3年間は18登板にとどまっていたが、2軍で球速や制球力に磨きをかけ、昨季は23登板で9勝6敗、防御率3.00という成績を残した。そして、今季は飛躍を遂げた昨季より更に成績向上。
7月28日現在で16試合に登板し10勝3敗、防御率2.31と既に昨季の勝ち星を上回り、防御率も1点近く良化。奪三振もリーグ4位の100を記録しているが、決して三振ばかりを奪う選手ではなく、持ち球のツーシーム・スライダー・カーブなどを駆使して打たせて取る投球術も持ち合わせている。
投球回もリーグ3位の113回を記録しており、長いイニングを投げ切る体力にも定評がある。和田・千賀・武田など多くの投手が故障で離脱したり不調に陥っているソフトバンク投手陣で最も安定した成績を残しており、今季のソフトバンクのエースは東浜、と言っても過言ではないだろう。
一方の菊池は、2年連続で2桁勝利に到達。2009年にドラフト1位で西武に入団した際には大きな話題となったが、入団後は度重なる故障に悩まされる。そのため、ここまでフルシーズンを戦い抜いたことはないが、今季は初めてシーズンを通して先発ローテーションを守り切ることができそうだ。
昨季は22試合に登板して143回を投げ、自身初となる規定投球回をクリアし、12勝7敗、防御率2.58という好成績を残した。プロ入り以降故障が多かったため、意外にも昨季がキャリアハイの成績となっている。
そして、今季は2年連続となる開幕投手を務め、エースとしてチームを引っ張っている。開幕から離脱することなくローテーションを守っており、17試合に登板して119回2/3を投げ10勝4敗、135奪三振、防御率1.96という好成績を残している。防御率・投球回はリーグトップ、奪三振も楽天・則本に次ぐ2位となっている。
FAで岸孝之が楽天に移籍し、柱となる投手が1人減ってしまった西武だが、今季は菊池が大黒柱として活躍し、菊池に続いてウルフ・野上・十亀などがローテーションを守りチームに白星をもたらしている。
東浜・菊池が2桁勝利に到達したことで、パ・リーグ上位3球団はそれぞれ2桁勝利を記録している投手を抱えることになった。どの投手もここまで素晴らしい投球を見せ続けているが、シーズンの正念場となる8月以降はどのような投球を見せてくれるだろうか。